小児がん経験者が病気をもつ自分と向き合うプロセス 思春期から成人期にかけて病気を自身の生活と心理面に引き受けていくことに着目して

目的:病気を認識したときから成人期に至るまでの小児がん経験者の病気をもつ自分と向き合うプロセスを明らかにする。 方法: 20~36歳の小児がん経験者 13名に半構成的面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。 結果: 34概念, 10カテゴリー,1コアカテゴリーが生成された。小児がん経験者は,小児がん発病や再発,晩期合併症出現の折に《身体の異変》と《生活の脅かし》に対し,《納得いかない》と苦悩しながらも,《ともにある存在》に支えられ《覚悟》や《生活への希望》を見出し耐えていた。そして,《社会生活を取り戻す》《ライフイベントの取り込み》《病気説明を見極め対人距離調整...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 40; no. 5; pp. 5_747 - 5_757
Main Authors 大見, サキエ, 高橋, 由美子, 宮城島, 恭子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.12.2017
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20170405006

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Summary:目的:病気を認識したときから成人期に至るまでの小児がん経験者の病気をもつ自分と向き合うプロセスを明らかにする。 方法: 20~36歳の小児がん経験者 13名に半構成的面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。 結果: 34概念, 10カテゴリー,1コアカテゴリーが生成された。小児がん経験者は,小児がん発病や再発,晩期合併症出現の折に《身体の異変》と《生活の脅かし》に対し,《納得いかない》と苦悩しながらも,《ともにある存在》に支えられ《覚悟》や《生活への希望》を見出し耐えていた。そして,《社会生活を取り戻す》《ライフイベントの取り込み》《病気説明を見極め対人距離調整》を含む【普通の生活の構築と維持】の努力をし,《自信獲得》に至っていた。 結論:小児がんに伴う心身・生活の変化を踏まえ,対人関係やライフイベントも含め長期的に生活構築・調整できるような支援が必要である。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20170405006