Pityriasis lichenoides et varioliformis acutaの免疫病理組織学的検討 Pityriasis lichenoides chronicaとの比較
Pityriasis lichenoides et varioliformis acuta (PLEVA) とpityriasis lichenoides chronica (PLC) の免疫病理学的差異を明らかにすることを目的として, PLEVA 5症例7検体, PLC3症例5検体について蛍光抗体間接法および酵素抗体法を施行し, それらをHE染色標本と対比した.結果: ケラチノサイト; HLA-DRは, PLEVAでは全例で巣状・全層性に発現し, PLCでは5検体中1検体のみに発現していた.CDla陽性樹枝状表皮細胞はPLEVAでは病勢が強くケラチノサイトの変性壊死を伴う部位では減少し, 病...
Saved in:
| Published in | 昭和医学会雑誌 Vol. 61; no. 6; pp. 626 - 635 |
|---|---|
| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
昭和大学学士会
28.12.2001
|
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0037-4342 2185-0976 |
| DOI | 10.14930/jsma1939.61.626 |
Cover
| Summary: | Pityriasis lichenoides et varioliformis acuta (PLEVA) とpityriasis lichenoides chronica (PLC) の免疫病理学的差異を明らかにすることを目的として, PLEVA 5症例7検体, PLC3症例5検体について蛍光抗体間接法および酵素抗体法を施行し, それらをHE染色標本と対比した.結果: ケラチノサイト; HLA-DRは, PLEVAでは全例で巣状・全層性に発現し, PLCでは5検体中1検体のみに発現していた.CDla陽性樹枝状表皮細胞はPLEVAでは病勢が強くケラチノサイトの変性壊死を伴う部位では減少し, 病変の辺縁部ではむしろ増加していた.PLCでも表皮肥厚を呈する部位の有棘層下層ではCDla陽性樹枝状細胞の密度は疎であった.ケラチノサイトのICAM-1発現はPLEVAでは巣状・全層性に, PLCでは基底層の一部に認められた.浸潤細胞; 表皮・真皮浸潤細胞はPLEVAではCD8陽性細胞優位で, PLCではCD4陽性細胞が優位であった.CD68陽性細胞の絶対数はPLEVAの方が多かった.真皮; 微小血管のVCAM-1およびE.selectin発現については両群間に明らかな差異はなかった.結論: PLEVAとPLCは表皮内の浸潤細胞の数やケラチノサイトの変性・壊死の程度に差はあるものの, 免疫病理組織学的に類似しており, 両者の病理組織所見の差は, リンパ球浸潤に関与するICAM-1などの接着分子と, 表皮ケラチノサイトのHLA-DR発現の程度の差に起因するものと考えられ, 両者は表皮に対する細胞性免疫の病勢の差に基づく一連の疾患であるという事が示唆された. |
|---|---|
| ISSN: | 0037-4342 2185-0976 |
| DOI: | 10.14930/jsma1939.61.626 |