感染症と免疫応答 糖脂質を介した自然免疫応答

感染免疫応答は生物種に固有であり,鍵と錠の関係のように特異性が高い。自然免疫担当細胞である好中球はヒトの感染免疫応答で最初に戦う白血球であり,侵入してきた病原微生物に遊走し,貪食・殺菌する。この過程にはヒト好中球特異的に発現している糖脂質のラクトシルセラミド(LacCer)が関与している。結核菌はLacCerの貪食・殺菌機構を利用して,好中球による殺菌を回避し,感染免疫機構から逃れることから,その分子機構の解明は新たな結核薬開発に繋がる。...

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Published in化学と教育 Vol. 69; no. 11; pp. 468 - 471
Main Author 岩渕, 和久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学会 20.11.2021
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ISSN0386-2151
2424-1830
DOI10.20665/kakyoshi.69.11_468

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Summary:感染免疫応答は生物種に固有であり,鍵と錠の関係のように特異性が高い。自然免疫担当細胞である好中球はヒトの感染免疫応答で最初に戦う白血球であり,侵入してきた病原微生物に遊走し,貪食・殺菌する。この過程にはヒト好中球特異的に発現している糖脂質のラクトシルセラミド(LacCer)が関与している。結核菌はLacCerの貪食・殺菌機構を利用して,好中球による殺菌を回避し,感染免疫機構から逃れることから,その分子機構の解明は新たな結核薬開発に繋がる。
ISSN:0386-2151
2424-1830
DOI:10.20665/kakyoshi.69.11_468