末梢性前大脳動脈瘤に対する手術アプローチ Horizontal head positionを用いたdistal approachの有用性

「はじめに」末梢性前大脳動脈瘤は脳梁膝部近傍に好発するが, この部を境界として中枢側に動脈瘤が存在する場合と末梢側に存在する場合で, それぞれ前頭開頭および片側傍矢状開頭による大脳半球間裂アプローチが選択されることが一般的である9)15). われわれは末梢性前大脳動脈瘤のうち, 脳梁周囲部とその末梢に存在するものに対しては, 患者頭位をhorizontal head position(Fig.1)とした傍矢状開頭による大脳半球間裂アプローチを用いているので, その有用性と留意点に関して報告する. 「対象と方法」対象は2006年4月以降に手術を行った6例である(Table 1). 破裂動脈瘤は2...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 38; no. 3; pp. 168 - 173
Main Authors 桑山, 直也, 山本, 博道, 林, 央周, 永尾, 征弥, 佐藤, 光, 遠藤, 俊郎, 秋岡, 直樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2010
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.38.168

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Summary:「はじめに」末梢性前大脳動脈瘤は脳梁膝部近傍に好発するが, この部を境界として中枢側に動脈瘤が存在する場合と末梢側に存在する場合で, それぞれ前頭開頭および片側傍矢状開頭による大脳半球間裂アプローチが選択されることが一般的である9)15). われわれは末梢性前大脳動脈瘤のうち, 脳梁周囲部とその末梢に存在するものに対しては, 患者頭位をhorizontal head position(Fig.1)とした傍矢状開頭による大脳半球間裂アプローチを用いているので, その有用性と留意点に関して報告する. 「対象と方法」対象は2006年4月以降に手術を行った6例である(Table 1). 破裂動脈瘤は2例, 未破裂動脈瘤が4例である. 6例中5例で腰椎部よりの髄液ドレナージを設置し, 術中に必要に応じて髄液の排除を行った. 頭位は6例中5例では右下のhorizontal head positionとし, 正中をやや超える右傍矢状開頭を行った. 右内頚動脈閉塞に対して浅側頭動脈―中大脳動脈吻合術が行われており, 右側よりのアプローチを回避した1例では, 左下にしたhorizontal head positionによる左傍矢状開頭を用いた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.38.168