口唇裂・口蓋裂の孫をもつ祖母の心理状態 医療者と同じ疾患体験者に関連する心理的側面

本研究の目的は,孫の口唇裂・口蓋裂疾患についての告知から初回口唇形成術後までの祖母の心理状態のうち,孫・娘以外の周囲の人である医療者・同じ疾患体験者に対する心理的側面について明らかにすることである。 A病院に通院する口唇形成術後の孫をもつ父方・母方祖母に,孫の疾患告知後から口唇形成術後の心理状態について,半構造化面接を行った。対象者15人の逐語録について質的記述的分析を行った結果,4つのコアカテゴリーに分類した内の【医療者に関連する心理状態】【同じ疾患体験者に関連する心理状態】について報告する。【医療者に関連する心理状態】のカテゴリーは〔受け入れがたい情報から生じる不安・困惑〕,〔医療者の適切...

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Published in日本口蓋裂学会雑誌 Vol. 46; no. 1; pp. 25 - 32
Main Authors 古郷, 幹彦, 池, 美保, 藤田, 優一, 北尾, 美香, 熊谷, 由加里, 植木, 慎悟
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口蓋裂学会 2021
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ISSN0386-5185
2186-5701
DOI10.11224/cleftpalate.46.25

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Summary:本研究の目的は,孫の口唇裂・口蓋裂疾患についての告知から初回口唇形成術後までの祖母の心理状態のうち,孫・娘以外の周囲の人である医療者・同じ疾患体験者に対する心理的側面について明らかにすることである。 A病院に通院する口唇形成術後の孫をもつ父方・母方祖母に,孫の疾患告知後から口唇形成術後の心理状態について,半構造化面接を行った。対象者15人の逐語録について質的記述的分析を行った結果,4つのコアカテゴリーに分類した内の【医療者に関連する心理状態】【同じ疾患体験者に関連する心理状態】について報告する。【医療者に関連する心理状態】のカテゴリーは〔受け入れがたい情報から生じる不安・困惑〕,〔医療者の適切な介入による安心・信頼〕の2つで構成された。【同じ疾患体験者に関連する心理状態】のカテゴリーは〔同じ疾患をもつ子どもと家族から得た安堵感〕で構成された。 本研究において,祖母は,適切なインフォームド・コンセントや医療・看護支援のプロセスをたどることで,孫の疾患を正しく理解し,医療者に対する信頼感をもち,安心していた。祖母を含めた家族も診療場面に参加することができれば,真のチーム医療が提供できると考える。
ISSN:0386-5185
2186-5701
DOI:10.11224/cleftpalate.46.25