異境から〈秘境〉へ 南洋一郎の冒険小説に見る戦後の改訂作業をめぐって

本論は,1950・60年代の日本で活況を呈した〈秘境〉という消費フレームを,戦前の異境をめぐる大衆文化との繋がりの中で捉えようとするものである.ここでは,戦中・戦後を跨いで活躍した南洋一郎の冒険小説を対象に,戦中に書かれた作品が,戦後に再版されるに際してどのように書き換えられ,新たなパッケージングを施されてきたのかを明らかにすることで,異境から〈秘境〉へという消費フレームの変化を跡づける....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in出版研究 Vol. 54; pp. 87 - 113
Main Author 大道, 晴香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本出版学会 2023
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0385-3659
2434-1398
DOI10.24756/jshuppan.54.0_87

Cover

More Information
Summary:本論は,1950・60年代の日本で活況を呈した〈秘境〉という消費フレームを,戦前の異境をめぐる大衆文化との繋がりの中で捉えようとするものである.ここでは,戦中・戦後を跨いで活躍した南洋一郎の冒険小説を対象に,戦中に書かれた作品が,戦後に再版されるに際してどのように書き換えられ,新たなパッケージングを施されてきたのかを明らかにすることで,異境から〈秘境〉へという消費フレームの変化を跡づける.
ISSN:0385-3659
2434-1398
DOI:10.24756/jshuppan.54.0_87