マーカレスモーションキャプチャを活用した治療セッション前後の片麻痺者のリーチ動作評価 セラピストの臨床推論と運動能力要素の関連性の探索

目的:片麻痺者のリーチ動作について,マーカレスモーションキャプチャ(MMC)システムを活用して一回の治療セッション前後で運動変化を把握し,セラピストの推論と介入運動能力要素の対応についてケーススタディを通して検討すること. 方法:ベッド端座位で治療テーブル上の水入りペットボトルを動かすリーチ動作を2 つのスマートフォンで撮影し,運動軌道と速度成分,滑らかさ指標,および準備期の姿勢変化を分析した. 結果:介入後のリーチ動作中は麻痺側の前腕回内位が減少し,運動速度が増加傾向であり改善が認められた.臨床推論での主要着目点は「体幹の左側偏位」であり,リーチ動作開始前の準備期におけるわずかな姿勢変化に対...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in専門リハビリテーション Vol. 22; no. 1; pp. 24 - 30
Main Authors 天草, 弥生, 武田, 幸治, 古澤, 浩生, 中村, 高仁, 山崎, 弘嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 多専会 専門リハビリテーション研究会 2023
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1347-2550
2434-7124
DOI10.34454/senmonreha.22.1_24

Cover

More Information
Summary:目的:片麻痺者のリーチ動作について,マーカレスモーションキャプチャ(MMC)システムを活用して一回の治療セッション前後で運動変化を把握し,セラピストの推論と介入運動能力要素の対応についてケーススタディを通して検討すること. 方法:ベッド端座位で治療テーブル上の水入りペットボトルを動かすリーチ動作を2 つのスマートフォンで撮影し,運動軌道と速度成分,滑らかさ指標,および準備期の姿勢変化を分析した. 結果:介入後のリーチ動作中は麻痺側の前腕回内位が減少し,運動速度が増加傾向であり改善が認められた.臨床推論での主要着目点は「体幹の左側偏位」であり,リーチ動作開始前の準備期におけるわずかな姿勢変化に対応していた. 結論:MMC システムを用いることで,運動療法による改善効果とセラピストの臨床推論を形成する主要な運動の客観化が可能であった.体幹の詳細な変化を把握するにはMMC の測定分析法の更なる改善が必要である.
ISSN:1347-2550
2434-7124
DOI:10.34454/senmonreha.22.1_24