高齢者重症くも膜下出血症例に対する急性期手術の限界 Glasgow Coma Scaleによる手術適応

くも膜下出血(SAH)において, 重症度は年齢とともにその予後を左右する最も重要な因子の1つである16)22). 重症度分類は一般に意識レベル, 巣症状, 髄膜刺激症状などをもとに作成されているが, 簡便かつ客観性が高く, 誰が使用しても簡単に同一の評価が得られ, 結果として予後の相違が明確に区別されることが理想であり, Hunt and Hess(H&H)grading scale 6)およびHunt and Kosnik(H&K)grading scale 7)もしくはWorld Federation of Neurological Surgery(WFNS)grading...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 34; no. 1; pp. 1 - 5
Main Authors 江崎, 泰之, 北川, 直毅, 上之郷, 眞木雄, 堀江, 信貴, 永田, 泉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2006
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.34.1

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Summary:くも膜下出血(SAH)において, 重症度は年齢とともにその予後を左右する最も重要な因子の1つである16)22). 重症度分類は一般に意識レベル, 巣症状, 髄膜刺激症状などをもとに作成されているが, 簡便かつ客観性が高く, 誰が使用しても簡単に同一の評価が得られ, 結果として予後の相違が明確に区別されることが理想であり, Hunt and Hess(H&H)grading scale 6)およびHunt and Kosnik(H&K)grading scale 7)もしくはWorld Federation of Neurological Surgery(WFNS)grading scale 1)が一般的に使用されている. ただしH&H grading scaleおよびH&K grading scaleは, 頭痛や髄膜刺激症状の有無のみでgrade 1, 2が分けられており, その予後にもほとんど差が認められていない5). またgrade 3, 4の定義も傾眠, 錯乱, 混迷など必ずしも客観的でない基準が用いられている. 一方, WFNSはGlasgow Coma Scale(GCS)13)を用いて判定されるために客観性が高く, 通常はgrade 4, 5が重症例と定義されている8)23).
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.34.1