P 波反射法測線に加えた3 成分地震計1 個でのS 波速度の簡易推定 埼玉県鴻巣市での探査例

2011年に発表した論文のなかで,我々はP波反射法測線に加えた3成分受振器1台で記録されたP – SV反射波を使い,その点下のS波速度構造を求める方法を開発した.そして,この方法をP – SV反射法探査の受振点一カ所に適用し,その点下の地下2 kmまでのS波速度構造を得られたこと,その結果がそのP – SV反射法探査やこの点近くの坑井内地震探査法(VSP)の結果とよく一致することを示した.今回の論文では,P波反射法探査時にP波反射法用の上下動成分受振器192台に3成分受振器1台を追加した際の運用調査を目的として,2006年に埼玉県鴻巣市で行った探査データを解析した結果を示す.探査測線中の5地点...

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Published in地質調査研究報告 Vol. 75; no. 3; pp. 93 - 101
Main Author 大滝, 壽樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 04.09.2024
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ISSN1346-4272
2186-490X
DOI10.9795/bullgsj.75.3_93

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Summary:2011年に発表した論文のなかで,我々はP波反射法測線に加えた3成分受振器1台で記録されたP – SV反射波を使い,その点下のS波速度構造を求める方法を開発した.そして,この方法をP – SV反射法探査の受振点一カ所に適用し,その点下の地下2 kmまでのS波速度構造を得られたこと,その結果がそのP – SV反射法探査やこの点近くの坑井内地震探査法(VSP)の結果とよく一致することを示した.今回の論文では,P波反射法探査時にP波反射法用の上下動成分受振器192台に3成分受振器1台を追加した際の運用調査を目的として,2006年に埼玉県鴻巣市で行った探査データを解析した結果を示す.探査測線中の5地点で3成分受振器設置を試みたが,そのうち1点でのみ解析に耐えうるデータが得られた.その受振点ギャザ上には複数のP – SV反射波が観測されており,その点下の地表から500 m深までのS波速度構造を求めることができた.
ISSN:1346-4272
2186-490X
DOI:10.9795/bullgsj.75.3_93