地形影響を考慮した排ガス拡散予測・数値モデルの開発 高い煙突への数値モデルの適用
火力発電所の環境アセスメントでは排ガス拡散の地形影響評価に三次元数値モデルが使用されている。近年、火力発電所の設備更新時には、航空法の遵守や景観への配慮に加えて、高効率発電システムの導入や燃料転換により環境負荷が大幅に低減されることから、従来よりも煙突高さを低くするケースが見られる。本論文では数値モデルを低煙突に適用できるように、非静力学モデルや地表付近の乱流量を経験的に修正する方法の導入をはかった。また、将来の地表面付近の低い煙突からの排ガス拡散予測への適用に先立ち、本論文では火力発電所の高所煙源を対象に本論文の数値モデルと現行の数値モデルの整合性を確認した。その結果、地表煙軸濃度分布は風洞...
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Published in | 大気環境学会誌 Vol. 47; no. 6; pp. 261 - 269 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 大気環境学会
2012
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1341-4178 2185-4335 |
DOI | 10.11298/taiki.47.261 |
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Summary: | 火力発電所の環境アセスメントでは排ガス拡散の地形影響評価に三次元数値モデルが使用されている。近年、火力発電所の設備更新時には、航空法の遵守や景観への配慮に加えて、高効率発電システムの導入や燃料転換により環境負荷が大幅に低減されることから、従来よりも煙突高さを低くするケースが見られる。本論文では数値モデルを低煙突に適用できるように、非静力学モデルや地表付近の乱流量を経験的に修正する方法の導入をはかった。また、将来の地表面付近の低い煙突からの排ガス拡散予測への適用に先立ち、本論文では火力発電所の高所煙源を対象に本論文の数値モデルと現行の数値モデルの整合性を確認した。その結果、地表煙軸濃度分布は風洞実験で得られた地形による地表煙軸濃度分布の変化をほぼ再現できることが示されるとともに、環境アセスメントの評価項目である最大着地濃度比や最大着地濃度距離比は現行の数値モデルと同程度の予測精度が得られることが確認できた。 |
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ISSN: | 1341-4178 2185-4335 |
DOI: | 10.11298/taiki.47.261 |