本邦での大腸癌に対する術前検査の現状(第60回大腸癌研究会アンケート調査から)

目的 : 本邦の大腸癌治療の現場でどのような術前検査が施行され, 新しい診断技術に対してどのような将来展望がもたれているか調査するため, 第60回大腸癌研究会で,「大腸癌の術前検査」に関連してアンケートを行い, 研究会会員77施設, 非会員25施設から回答を得た. 結果 : 原発巣検査では, 会員施設61%, 非会員施設44%が注腸造影と大腸内視鏡の両方を必ず施行しており, 早期癌深達度診断では, 会員施設53%, 非会員施設60%が大腸内視鏡を最も重視していた. リンパ節転移診断検査では, 会員施設87%, 非会員施設84%が腹部・骨盤CTを選択し, 遠隔転移検査では, 腹部・骨盤CTが会員...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 58; no. 6; pp. 312 - 320
Main Authors 大植, 雅之, 関本, 貢嗣, 安井, 昌義, 山本, 浩文, 鈴木, 玲, 畑, 泰司, 池田, 正孝, 武藤, 徹一郎, 門田, 守人, 真貝, 竜史, 林, 太郎
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本大腸肛門病学会 2005
Subjects
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.58.312

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Summary:目的 : 本邦の大腸癌治療の現場でどのような術前検査が施行され, 新しい診断技術に対してどのような将来展望がもたれているか調査するため, 第60回大腸癌研究会で,「大腸癌の術前検査」に関連してアンケートを行い, 研究会会員77施設, 非会員25施設から回答を得た. 結果 : 原発巣検査では, 会員施設61%, 非会員施設44%が注腸造影と大腸内視鏡の両方を必ず施行しており, 早期癌深達度診断では, 会員施設53%, 非会員施設60%が大腸内視鏡を最も重視していた. リンパ節転移診断検査では, 会員施設87%, 非会員施設84%が腹部・骨盤CTを選択し, 遠隔転移検査では, 腹部・骨盤CTが会員, 非会員施設共に100%施行されていた. 包括医療と術前検査では, 術前検査を絞り込むとの意見が最も多かった. 結論 : 大腸癌の術前検査の現状について今回のアンケート結果は, 本邦での大腸癌術前検査の現状を反映する貴重な結果と思われる.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.58.312