同胞(兄弟)に発生したCrohn病
本邦におけるCrohn病の家族内発生は極めて稀であるが,われわれは兄弟発生例を経験したので報告する.症例1:15歳男(弟),昭和51年3月,回盲部痛あり近医にて虫垂切除を受けたが,虫垂は正常で,回盲部に腫瘤を認められ本院へ紹介入院した.小腸造影にて回腸末端の狭窄と瘻孔形成を認めCrohn、病と診断,回盲部切除を施行,回腸に縦走潰瘍と腸間膜に瘻孔を認めた.術後15年再発もなく健在である.症例2:29歳男(兄),22歳時,虫垂切除を受けたが,その後も時に腹痛があった.6年後の昭和63年3月腹痛にて来院,小腸造影にて回腸末端の狭窄と瘻孔形成およびS状結腸の狭窄が認められ開腹,回腸約150cmとS状結...
Saved in:
| Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 45; no. 3; pp. 297 - 303 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | English Japanese |
| Published |
日本大腸肛門病学会
1992
|
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI | 10.3862/jcoloproctology.45.297 |
Cover
| Summary: | 本邦におけるCrohn病の家族内発生は極めて稀であるが,われわれは兄弟発生例を経験したので報告する.症例1:15歳男(弟),昭和51年3月,回盲部痛あり近医にて虫垂切除を受けたが,虫垂は正常で,回盲部に腫瘤を認められ本院へ紹介入院した.小腸造影にて回腸末端の狭窄と瘻孔形成を認めCrohn、病と診断,回盲部切除を施行,回腸に縦走潰瘍と腸間膜に瘻孔を認めた.術後15年再発もなく健在である.症例2:29歳男(兄),22歳時,虫垂切除を受けたが,その後も時に腹痛があった.6年後の昭和63年3月腹痛にて来院,小腸造影にて回腸末端の狭窄と瘻孔形成およびS状結腸の狭窄が認められ開腹,回腸約150cmとS状結腸を切除した.回腸には縦走潰瘍とskip lesionを認めた.術後3年再発の兆候はない.また,HLA抗原の検索では,症例2(兄)にお移て,BW61を認めたにすぎなかった. |
|---|---|
| ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
| DOI: | 10.3862/jcoloproctology.45.297 |