ヒヤリハット事例減少に向けた畳まれた長傘のデザイン探索 畳まれた長傘の持ち歩き方調査とデザイン改善

畳まれた長傘による歩行時のヒヤリハット事例が日本の行政機関からしばしば報告されているが,長傘の危険な持ち方に関する対策検討が少ない.代表的な危険な持ち方に,長傘を地面に対して水平に持つ横持ちが取り上げられる.その問題に対し,長傘の先端が地面に向かうように持つという持ち方の啓発活動が主な対策である.しかし,横持ち以外の持ち方の危険性や,危険な持ち方に至る人々の心理の探究が少ない.本稿では,2種類の長傘の持ち方調査と,調査結果に基づく3種類のプロトタイプを提案し,その使用感をヒアリングした.持ち方調査から長傘の先端をつけない持ち方を,あるいは周囲への迷惑がないと判断すると本人にとって楽な持ち方を優...

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Published inデザイン学研究 Vol. 69; no. 4; pp. 4_1 - 4_8
Main Authors 大澤, 優輝, 武川, 直樹, 荒井, 将太, 齋藤, 杏, 山本, 貴士, 髙田, 茉知, 青木, 良輔, 武田, 将太郎, 鎌田, 尚希, 大木, あかり
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本デザイン学会 31.03.2023
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ISSN0910-8173
2186-5221
DOI10.11247/jssdj.69.4_1

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Summary:畳まれた長傘による歩行時のヒヤリハット事例が日本の行政機関からしばしば報告されているが,長傘の危険な持ち方に関する対策検討が少ない.代表的な危険な持ち方に,長傘を地面に対して水平に持つ横持ちが取り上げられる.その問題に対し,長傘の先端が地面に向かうように持つという持ち方の啓発活動が主な対策である.しかし,横持ち以外の持ち方の危険性や,危険な持ち方に至る人々の心理の探究が少ない.本稿では,2種類の長傘の持ち方調査と,調査結果に基づく3種類のプロトタイプを提案し,その使用感をヒアリングした.持ち方調査から長傘の先端をつけない持ち方を,あるいは周囲への迷惑がないと判断すると本人にとって楽な持ち方を優先する傾向が確認された.この知見に基づいて製作された各プロトタイプのヒアリングから,楽な持ち方に適したものが好まれる傾向があった.
ISSN:0910-8173
2186-5221
DOI:10.11247/jssdj.69.4_1