炭酸アパタイト人工骨 骨に学び,骨を凌ぐ

骨の無機主成分はハイドロキシ(水酸)アパタイト[HAp:Ca10(PO4)6(OH)2]ではなく,炭酸基を6~9質量%含む炭酸アパタイト[CO3Ap:Ca10-a(PO4)6-b(CO3)c]である.炭酸アパタイトは熱分解されるため焼結法で調製できなかったが,炭酸カルシウムなどを前駆体とする溶解析出法で調製できることがわかった.炭酸アパタイト人工骨はハイドロキシアパタイトに比較して圧倒的な骨伝導性を示し,骨リモデリングに調和して新しい骨に置換される.炭酸アパタイトセメントや炭酸アパタイト被覆チタンも優れた性質を呈する....

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Published in日本歯科理工学会誌 Vol. 44; no. 1; pp. 37 - 46
Main Author 石川, 邦夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本歯科理工学会 25.01.2025
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ISSN1884-4421
2188-417X
DOI10.18939/jsdmd.44.1_37

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Summary:骨の無機主成分はハイドロキシ(水酸)アパタイト[HAp:Ca10(PO4)6(OH)2]ではなく,炭酸基を6~9質量%含む炭酸アパタイト[CO3Ap:Ca10-a(PO4)6-b(CO3)c]である.炭酸アパタイトは熱分解されるため焼結法で調製できなかったが,炭酸カルシウムなどを前駆体とする溶解析出法で調製できることがわかった.炭酸アパタイト人工骨はハイドロキシアパタイトに比較して圧倒的な骨伝導性を示し,骨リモデリングに調和して新しい骨に置換される.炭酸アパタイトセメントや炭酸アパタイト被覆チタンも優れた性質を呈する.
ISSN:1884-4421
2188-417X
DOI:10.18939/jsdmd.44.1_37