二輪車リサイクル EPRの実践と経過から見る課題整理と今後

自動車リサイクル法制定過程において,二輪車を自動車リサイクル法の対象とするか否かの議論があったが,四輪車との構造および車両登録制度の違いから,二輪車は独自のリサイクルシステムを構築することとなった。拡大生産者責任 (EPR) の概念を拠り所に業界自主取組として,国内二輪車製造業者4社を中心に輸入業者12社を加えた計16社が一つのシステムを作り上げた。2004年10月にシステムを稼働し,2011年10月からは全車両廃棄時無料引取を開始する。本稿では,システムが目指した“セーフティーネット”の実現に向けて生産者が引き受けた責任をEPRの3つの責任領域に重ねて紹介し,実績を踏まえた課題を整理する。E...

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Published in廃棄物資源循環学会誌 Vol. 21; no. 2; pp. 111 - 117
Main Authors 松本, 津奈子, 米山, 淳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 廃棄物資源循環学会 2010
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ISSN1883-5864
2187-4808
DOI10.3985/mcwmr.21.111

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Summary:自動車リサイクル法制定過程において,二輪車を自動車リサイクル法の対象とするか否かの議論があったが,四輪車との構造および車両登録制度の違いから,二輪車は独自のリサイクルシステムを構築することとなった。拡大生産者責任 (EPR) の概念を拠り所に業界自主取組として,国内二輪車製造業者4社を中心に輸入業者12社を加えた計16社が一つのシステムを作り上げた。2004年10月にシステムを稼働し,2011年10月からは全車両廃棄時無料引取を開始する。本稿では,システムが目指した“セーフティーネット”の実現に向けて生産者が引き受けた責任をEPRの3つの責任領域に重ねて紹介し,実績を踏まえた課題を整理する。EPRが環境配慮設計 (DfE) をどのように促すのか,処理再資源化費用価格内部化が本格的となる2011年10月以降にその成果が問われるが,開始後5年半の経験からは,リユースが旺盛で使用済み段階で生産者に戻らないことがDfEの効果に影響を与えると指摘する。
ISSN:1883-5864
2187-4808
DOI:10.3985/mcwmr.21.111