脆弱性骨折高齢者を対象とした片脚立位運動のバランス能力改善と運動機能改善との関連性について クロステストを用いて

【背景と目的】埼玉慈恵病院骨粗鬆症リエゾンサービス (OLS)では2022年7月より、脆弱性骨折で入院した高齢患者を対象に退院後の運動機能評価として、重心動揺計を用いてのバランス能力評価 (クロステスト)を開始した。この研究の目的は退院後の運動頻度と、バランス能力および運動機能との関連を明らかにすることである。【方法】2022年7月から2023年12月までにOLSに登録された145例中、退院時と退院後6か月の検診で重心動揺計を用いてのバランス 能力測定が可能だった34例 (男性が6例、女性が 28例、平均年齢75.7±8.0歳 (57~92歳)、大腿骨近位部骨折が11例、脊椎骨折が12例、その...

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Published in日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集 p. 108
Main Authors 飛田, 英樹, 吉野, 恭正, 塩飽, 克庸, 横森, 光, 嶺, 崇文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本予防理学療法学会 31.03.2025
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ISSN2758-7983
DOI10.57304/jsptpsuppl.3.Suppl.No.1.0_108

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Summary:【背景と目的】埼玉慈恵病院骨粗鬆症リエゾンサービス (OLS)では2022年7月より、脆弱性骨折で入院した高齢患者を対象に退院後の運動機能評価として、重心動揺計を用いてのバランス能力評価 (クロステスト)を開始した。この研究の目的は退院後の運動頻度と、バランス能力および運動機能との関連を明らかにすることである。【方法】2022年7月から2023年12月までにOLSに登録された145例中、退院時と退院後6か月の検診で重心動揺計を用いてのバランス 能力測定が可能だった34例 (男性が6例、女性が 28例、平均年齢75.7±8.0歳 (57~92歳)、大腿骨近位部骨折が11例、脊椎骨折が12例、その他の骨折が11例)を対象とした。入院中から片脚立位運動等を指導し、退院後の運動実施日をカレンダーに記載し運動頻度を確認 (半月以下、半月以上、毎日の3群に群分け)。運動機能はtimed up and goテスト (TUG)、片脚立位時間で評価した。統計学的手法として、姿勢安定度評価指標 (Index of Postural Stability:以下 IPS)とTUGの改善の有無をWelchのt検定、 Spearmanの順位相関係数を用いてIPSの改善とTUGの改善の関連を検討した。またIPS改善の有無と運動頻度を一元配置分散分析で、群間比較にBonferroni法を用いた。P<0.05未満を有意差ありとした。【結果】運動頻度は半月以下18名、半月以上7名、毎日9名であった。 IPSの改善群はTUGが有意に改善し(p=0.043)、正の相関 (r=0.434)が見られた。運動頻度とIPS改善有無に有意差が見られ(p=0.046)、毎日運動した群と半月以下の群で有意差が見られた(p=0.015)。【考察】片脚立位運動が半月以下の群より毎日運動した群の方がバランス機能の改善が見られる傾向にあった。この運動によるIPSの改善とTUGの改善とに正の相関関係があることから、脆弱性骨折後高齢者がこの運動を毎日継続することで、動的バランス機能が改善し、転倒予防につながると考えられる。【まとめ】脆弱性骨折後に毎日、片脚立位運動することで、バランス機能が改善する傾向にある。【倫理的配慮】埼玉慈恵病院倫理委員会の承認を得た
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ISSN:2758-7983
DOI:10.57304/jsptpsuppl.3.Suppl.No.1.0_108