内視鏡的静脈瘤結紮術単独と硬化療法併用による食道静脈瘤治療成績 特に再発静脈瘤と食道静脈瘤圧からみた一考察

最近5年間に経験した食道静脈瘤に対するEVL単独治療16例およびEVL, EIS併用治療14例の治療成績を, 静脈瘤再発の点から検討した.その結果, F3静脈瘤の荒廃率は単独群25.0% (1/4), 併用群83.3% (5/6) と併用群で良好であったが, 静脈瘤再発は単独群6例 (37.5%), 併用群6例 (42.9%) にみられ, また3年累積無再発率も各々58.3%, 50.0%といずれも両群間に差は認めなかった.再発後の治療は主としてEISにより行われ, 難治であった1例を除いて平均1.8回と比較的短期間に治療可能で, 再治療後の出血, 再発は認めなかった.また治療前の食道静脈瘤圧...

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Published in日本門脈圧亢進症食道静脈瘤学会雑誌 Vol. 4; no. 4; pp. 436 - 441
Main Authors 西野, 裕二, 曽和, 融生, 川添, 義行, 平川, 弘聖, 大平, 雅一, 吉川, 和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本門脈圧亢進症学会 15.12.1998
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ISSN1341-6375
2187-1213
DOI10.11423/jsph1995.4.4_436

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Summary:最近5年間に経験した食道静脈瘤に対するEVL単独治療16例およびEVL, EIS併用治療14例の治療成績を, 静脈瘤再発の点から検討した.その結果, F3静脈瘤の荒廃率は単独群25.0% (1/4), 併用群83.3% (5/6) と併用群で良好であったが, 静脈瘤再発は単独群6例 (37.5%), 併用群6例 (42.9%) にみられ, また3年累積無再発率も各々58.3%, 50.0%といずれも両群間に差は認めなかった.再発後の治療は主としてEISにより行われ, 難治であった1例を除いて平均1.8回と比較的短期間に治療可能で, 再治療後の出血, 再発は認めなかった.また治療前の食道静脈瘤圧 (EVP) は再発例で23.5±7.1mmHgと非再発例に比し高値であり, 一方EVP15mmHg以上の8例中6例 (75.0%) に再発を認めたことから, EVPは静脈瘤再発の予知因子の1つになりうる可能性が示唆された.
ISSN:1341-6375
2187-1213
DOI:10.11423/jsph1995.4.4_436