日常生活圏内の観光地を訪れた住民の心理的経験の分析 横浜みなとみらいを対象に

本研究では,観光経験による心理的プロセスが日常生活圏外から訪れた観光客ではなく,日常生活圏内の観光地を訪れた住民にもあてはまるのかを確認的因子分析及び共分散構造分析を用いて検証する.心理的プロセスは,観光地に訪れることの本質を明確にし,マネジメントの方向性を決定することに繋がる.そのため,分析により観光地を訪れることの本質を明確にすることを目的とする.その際,従来研究を基に4つの心理的刺激から引き起こされた観光による経験が,没頭した体験,肯定的な感情,満足度,知覚価値に影響すると考える.また,本質をより明確にするため観光における経験と満足度,知覚価値の関係に着目して分析を行う.分析した結果,観...

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Published in日本経営工学会論文誌 Vol. 76; no. 2; pp. 64 - 75
Main Authors 髙野倉 雅人, 大山 紗季
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本経営工学会 15.07.2025
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ISSN1342-2618
2187-9079
DOI10.11221/jima.76.64

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Summary:本研究では,観光経験による心理的プロセスが日常生活圏外から訪れた観光客ではなく,日常生活圏内の観光地を訪れた住民にもあてはまるのかを確認的因子分析及び共分散構造分析を用いて検証する.心理的プロセスは,観光地に訪れることの本質を明確にし,マネジメントの方向性を決定することに繋がる.そのため,分析により観光地を訪れることの本質を明確にすることを目的とする.その際,従来研究を基に4つの心理的刺激から引き起こされた観光による経験が,没頭した体験,肯定的な感情,満足度,知覚価値に影響すると考える.また,本質をより明確にするため観光における経験と満足度,知覚価値の関係に着目して分析を行う.分析した結果,観光地を訪れることの本質は感覚的,感情的部分によって構築され,最終的に没頭した体験,肯定的な感情,満足度,知覚価値に影響を与えることであると分かった.特に,日常生活圏内の観光地を訪れた住民の場合では,感覚的な要素により観光地を訪れることによる経験が構築された.そして観光地を訪れてもらうためには,知覚価値の向上を重要視する必要があるという結果となった.
ISSN:1342-2618
2187-9079
DOI:10.11221/jima.76.64