岩手県立森林公園におけるバリアフリー化の現状と課題 車椅子と杖歩行による園路利用からの考察

森林総合利用施設 (以下,森林公園) のバリアフリー化の現状と課題を明らかにするため,岩手県立森林公園 (県内に5箇所) を対象に,岩手県農林水産部森林保全課及び各公園の指定管理者への聞き取り調査および現地踏査を実施し た。その結果,全体として身体にハンディキャップのある利用者は少なく,学習施設ではバリアフリー化がみられるものの,森林など屋外では未舗装の遊歩道が多く通常の車椅子歩行は難しいことがわかった。限られた予算のなかで,自然環境や景観の保全を図りつつバリアフリー化を進めるには,車椅子歩行を援助するJINRIKI®やアウトドア車椅子など補助器具の導入や,支援できる人材の育成・確保などのソフ...

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Published in東北森林科学会誌 Vol. 26; no. 2; pp. 55 - 66
Main Authors 山本, 信次, 髙田, 乃倫予, 小川, 晃弥
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 東北森林科学会 31.10.2021
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ISSN1342-1336
2424-1385
DOI10.18982/tjfs.26.2_55

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Summary:森林総合利用施設 (以下,森林公園) のバリアフリー化の現状と課題を明らかにするため,岩手県立森林公園 (県内に5箇所) を対象に,岩手県農林水産部森林保全課及び各公園の指定管理者への聞き取り調査および現地踏査を実施し た。その結果,全体として身体にハンディキャップのある利用者は少なく,学習施設ではバリアフリー化がみられるものの,森林など屋外では未舗装の遊歩道が多く通常の車椅子歩行は難しいことがわかった。限られた予算のなかで,自然環境や景観の保全を図りつつバリアフリー化を進めるには,車椅子歩行を援助するJINRIKI®やアウトドア車椅子など補助器具の導入や,支援できる人材の育成・確保などのソフト面の整備が期待される。また,今後,身体にハンディ キャップのある利用者の森林公園に対するニーズや課題の意識調査が望まれる。
ISSN:1342-1336
2424-1385
DOI:10.18982/tjfs.26.2_55