専門高校における教育と林業就業 鹿児島県を事例として

これまでの林業人材育成に関する議論の中で,専門高校における教育は中心的な課題とはされてこなかったが,年間1,000名近い生徒が森林・林業に関する専門科目を履修して卒業している。鹿児島県を事例に森林・林業を専攻した専門高校生の進路を調査した結果,1960年代よりは卒業生の数も林業界への就職者も大幅に減少していた。一方で,緑の雇用の研修生について既卒者も含めて高校の卒業歴を調査した結果,専門高校卒業者が多数であることが明らかになった。林業と学校教育の接点という観点では,新卒者だけではなく,既卒者の職業選択における高校での専門教育が持つ効果を考慮すべきである。高校における教育の職業的意義,専門性をど...

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Published in林業経済研究 Vol. 64; no. 1; pp. 26 - 35
Main Author 奥山, 洋一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 林業経済学会 2018
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ISSN0285-1598
2424-2454
DOI10.20818/jfe.64.1_26

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Summary:これまでの林業人材育成に関する議論の中で,専門高校における教育は中心的な課題とはされてこなかったが,年間1,000名近い生徒が森林・林業に関する専門科目を履修して卒業している。鹿児島県を事例に森林・林業を専攻した専門高校生の進路を調査した結果,1960年代よりは卒業生の数も林業界への就職者も大幅に減少していた。一方で,緑の雇用の研修生について既卒者も含めて高校の卒業歴を調査した結果,専門高校卒業者が多数であることが明らかになった。林業と学校教育の接点という観点では,新卒者だけではなく,既卒者の職業選択における高校での専門教育が持つ効果を考慮すべきである。高校における教育の職業的意義,専門性をどのように定義するのかについても検討する必要がある。
ISSN:0285-1598
2424-2454
DOI:10.20818/jfe.64.1_26