牛乳中の131Iの定量法
1) 牛乳中の全131Iの定量法としての灰化法と, Berghの方法について検討した。灰化法においては, 牛乳に対する1 N NaOHの比を1: 19にした場合, 500℃, 3時間でヨウ素の損失を少なくして灰化することができた。そのさいの131Iの損失率は, 15~17%であった。 2) 従来比較的広く用いられていたBerghの方法は, 無機態ヨウ素の分離実験操作中に生成した脂肪結合態のヨウ素が棄却されてしまうため, 収率が低下し, しかも一定の値を得がたいことを立証した。 3) 本報において, 牛乳中の無機型ヨウ素定量法として, イオン交換樹脂処理後の四塩化炭素抽出法を確立した。牛乳中のヨ...
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Published in | RADIOISOTOPES Vol. 13; no. 4; pp. 304 - 307 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本アイソトープ協会
15.07.1964
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ISSN | 0033-8303 1884-4111 |
DOI | 10.3769/radioisotopes.13.4_304 |
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Summary: | 1) 牛乳中の全131Iの定量法としての灰化法と, Berghの方法について検討した。灰化法においては, 牛乳に対する1 N NaOHの比を1: 19にした場合, 500℃, 3時間でヨウ素の損失を少なくして灰化することができた。そのさいの131Iの損失率は, 15~17%であった。 2) 従来比較的広く用いられていたBerghの方法は, 無機態ヨウ素の分離実験操作中に生成した脂肪結合態のヨウ素が棄却されてしまうため, 収率が低下し, しかも一定の値を得がたいことを立証した。 3) 本報において, 牛乳中の無機型ヨウ素定量法として, イオン交換樹脂処理後の四塩化炭素抽出法を確立した。牛乳中のヨウ素の90%が無機型で存在するという定説に基づけば, 本法によって, 牛乳中の全ヨウ素量を求め得る。 |
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ISSN: | 0033-8303 1884-4111 |
DOI: | 10.3769/radioisotopes.13.4_304 |