経静脈的血栓溶解療法直後に,新たに脳動脈塞栓症をきたした2例
経静脈的血栓溶解療法直後に,新規脳梗塞を生じた2例を報告する。症例1:85歳女性,左片麻痺をきたしMRIで右脳梗塞と診断し,rt-PA開始から10分後,失語,右片麻痺を呈した。血管撮影で左内頸動脈遠位閉塞を認め,血栓回収し完全再開通にて,症状消失した。精査で心原性と考えられ抗凝固薬を開始した。症例2:73歳男性,右小脳失調,構音障害を呈し,MRIで右小脳梗塞を認めた。rt-PA投与後,症状消失したが,投与終了から約2時間後に左片麻痺をきたし,MRIにて右大脳に新たに散在性多発性脳梗塞を認めた。その後心房細動を捉え,心原性脳梗塞と診断し抗凝固薬を開始した。結論:経静脈的血栓溶解療法の際には出血だ...
Saved in:
| Published in | 四国医学雑誌 Vol. 81; no. 1.2; pp. 45 - 52 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
徳島医学会
27.06.2025
|
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0037-3699 2758-3279 |
| DOI | 10.57444/shikokuactamedica.81.1.2_45 |
Cover
| Summary: | 経静脈的血栓溶解療法直後に,新規脳梗塞を生じた2例を報告する。症例1:85歳女性,左片麻痺をきたしMRIで右脳梗塞と診断し,rt-PA開始から10分後,失語,右片麻痺を呈した。血管撮影で左内頸動脈遠位閉塞を認め,血栓回収し完全再開通にて,症状消失した。精査で心原性と考えられ抗凝固薬を開始した。症例2:73歳男性,右小脳失調,構音障害を呈し,MRIで右小脳梗塞を認めた。rt-PA投与後,症状消失したが,投与終了から約2時間後に左片麻痺をきたし,MRIにて右大脳に新たに散在性多発性脳梗塞を認めた。その後心房細動を捉え,心原性脳梗塞と診断し抗凝固薬を開始した。結論:経静脈的血栓溶解療法の際には出血だけでなく,脳虚血性合併症の発生にも注意すべきである。 |
|---|---|
| ISSN: | 0037-3699 2758-3279 |
| DOI: | 10.57444/shikokuactamedica.81.1.2_45 |