人工飼料育における家蚕の熱量要求について

桑葉育, 人工飼料育の家蚕幼虫について, 食下乾物量, 消化乾物量および消化率を測定した。食下および消化乾物量は雌がやや多く, 桑葉育と人工飼料育とでは大差なかったが, 消化乾物量および消化率は人工飼料育の方がやや高かった。 食下熱量は桑葉育, 人工飼料育の場合に1頭当り21キロカロリー (雄), および22~25キロカロリー (雌) であって, 消化熱量は人工飼料育の方がやや高く, したがって熱量の消化利用率も人工飼料育の方が高かった。 以上の諸結果から両飼料の飼料効率を, 単位体重増加に要する乾物量および熱量と単位繭層重生産に要する乾物量および熱量とで比較した。その結果本実験に用いた人工飼...

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Published in日本蚕糸学雑誌 Vol. 38; no. 5; pp. 377 - 385
Main Authors 渡辺, 喜二郎, 堀江, 保宏
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 社団法人 日本蚕糸学会 31.10.1969
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ISSN0037-2455
1884-796X
DOI10.11416/kontyushigen1930.38.377

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Summary:桑葉育, 人工飼料育の家蚕幼虫について, 食下乾物量, 消化乾物量および消化率を測定した。食下および消化乾物量は雌がやや多く, 桑葉育と人工飼料育とでは大差なかったが, 消化乾物量および消化率は人工飼料育の方がやや高かった。 食下熱量は桑葉育, 人工飼料育の場合に1頭当り21キロカロリー (雄), および22~25キロカロリー (雌) であって, 消化熱量は人工飼料育の方がやや高く, したがって熱量の消化利用率も人工飼料育の方が高かった。 以上の諸結果から両飼料の飼料効率を, 単位体重増加に要する乾物量および熱量と単位繭層重生産に要する乾物量および熱量とで比較した。その結果本実験に用いた人工飼料は, 家蚕の成長に関しては桑葉と同程度の飼料効率を示したが, 絹物質生産に関する効率において桑葉に比べて劣ることがわかった。
ISSN:0037-2455
1884-796X
DOI:10.11416/kontyushigen1930.38.377