バセドウ病およびぶどう膜炎を合併したHTLV-Iキャリアの1例
症例は73歳女性. バセドウ病の治療中に, 右眼の霧視および充血が出現. 近医眼科にて, ぶどう膜炎の診断を受け, 原因精査の為, 当科へ紹介された. 精査の結果, サルコイドーシス, ベーチェット病, その他の自己免疫疾患を疑わせる所見は認められなかった. 一方, EIAおよび Western blot 法による抗HTLV-I抗体が陽性であり, HTLV-I関連ぶどう膜炎 (HAU) の可能性が考えられた. 近年,バセドウ病の発生におけるHTLV-I関連遺伝子の関与が報告されていることや, 高齢者バセドウ病において抗HTLV-I抗体の陽性率が有意に高いという報告もあり, 本例におけるバセドウ...
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| Published in | 日本老年医学会雑誌 Vol. 31; no. 5; pp. 415 - 417 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本老年医学会
25.05.1994
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0300-9173 |
| DOI | 10.3143/geriatrics.31.415 |
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| Summary: | 症例は73歳女性. バセドウ病の治療中に, 右眼の霧視および充血が出現. 近医眼科にて, ぶどう膜炎の診断を受け, 原因精査の為, 当科へ紹介された. 精査の結果, サルコイドーシス, ベーチェット病, その他の自己免疫疾患を疑わせる所見は認められなかった. 一方, EIAおよび Western blot 法による抗HTLV-I抗体が陽性であり, HTLV-I関連ぶどう膜炎 (HAU) の可能性が考えられた. 近年,バセドウ病の発生におけるHTLV-I関連遺伝子の関与が報告されていることや, 高齢者バセドウ病において抗HTLV-I抗体の陽性率が有意に高いという報告もあり, 本例におけるバセドウ病の発生にHTLV-I感染が関与している可能性が考えられた. |
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| ISSN: | 0300-9173 |
| DOI: | 10.3143/geriatrics.31.415 |