暫間修復用レジンに関する研究 第2報サーマルサイクリングの負荷が曲げ特性に及ぼす影響

暫間修復処置は, 最終修復物が装着されるまでの期間に機能, 審美および周囲軟組織との調和を図る目的で行われている.この処置に用いるレジンとして, PMMAを基材とした材料以外に, 無機フィラーを添加したペースト系の製品が市販されている.ペースト系の暫間修復用レジンは, PMMA系レジンと比較して重合時の発熱が低減化されるなどの利点を有するとされているが, 口腔内の環境を勘案した長期耐久性については不明である.そこで, 口腔内環境を想定したサーマルサイクリングの負荷が, 暫間修復用レジンの曲げ特性に及ぼす影響について検討した.その結果, 供試した製品の曲げ強さおよび曲げ弾性係数は, サーマルサイ...

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Published in接着歯学 Vol. 24; no. 3; pp. 172 - 178
Main Authors 前田, 徹, 渡邉, 孝行, 色川, 敦士, 安田, 源沢, 宮崎, 真至, 森, 健太郎, 山口, 佳奈子, 高見澤, 俊樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本接着歯学会 15.12.2006
Subjects
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ISSN0913-1655
2185-9566
DOI10.11297/adhesdent1983.24.172

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Summary:暫間修復処置は, 最終修復物が装着されるまでの期間に機能, 審美および周囲軟組織との調和を図る目的で行われている.この処置に用いるレジンとして, PMMAを基材とした材料以外に, 無機フィラーを添加したペースト系の製品が市販されている.ペースト系の暫間修復用レジンは, PMMA系レジンと比較して重合時の発熱が低減化されるなどの利点を有するとされているが, 口腔内の環境を勘案した長期耐久性については不明である.そこで, 口腔内環境を想定したサーマルサイクリングの負荷が, 暫間修復用レジンの曲げ特性に及ぼす影響について検討した.その結果, 供試した製品の曲げ強さおよび曲げ弾性係数は, サーマルサイクリングの負荷によって上昇する傾向を示した.破断面のSEM観察からは, ペースト系レジンにおいては, サーマルサイクリングの負荷によって波状の亀裂進展が認められた.一方, PMMA系レジンにおいてはペースト系レジンに比較して複雑な破断面を呈しており, サーマルサイクリングの負荷によってさらに粗な破断面として観察された.
ISSN:0913-1655
2185-9566
DOI:10.11297/adhesdent1983.24.172