口腔領域の実験的腫瘍に関する研究 第3報 ハムスターにおける頬粘膜癌形成の病理組織学的研究

ハムスターの頬粘膜に9, 10-dimethyl-1, 2-benzanthraceneアセトン溶液を週3回塗布し, 実験開始後19週で生存ハムスター37例中36例の頗粘膜部に腫瘍の形成を見た。それらはいずれも病理組織学的検索の結果, 扁平上皮癌であった。この腫瘍の形成過程は, 実験開始後3週から6週で頬粘膜の処置部にびらん, 潰瘍の形成が, 次いで10週には同部位に小腫瘤の形成が認められ, それらはやがて漸次増大して13週から19週で悪性腫瘍へと移行した。なお, この時点ではいずれの症例にも癌細胞の頸部リンパ節への転移は認められなかった。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in歯科基礎医学会雑誌 Vol. 27; no. 3; pp. 775 - 781
Main Authors 魚部, 健市, 口分田, 学, 和唐, 雅博, 東浦, 宏守, 岡本, 浩, 西川, 哲成, 筒井, 正弘
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 歯科基礎医学会 20.09.1985
Online AccessGet full text
ISSN0385-0137
DOI10.2330/joralbiosci1965.27.775

Cover

More Information
Summary:ハムスターの頬粘膜に9, 10-dimethyl-1, 2-benzanthraceneアセトン溶液を週3回塗布し, 実験開始後19週で生存ハムスター37例中36例の頗粘膜部に腫瘍の形成を見た。それらはいずれも病理組織学的検索の結果, 扁平上皮癌であった。この腫瘍の形成過程は, 実験開始後3週から6週で頬粘膜の処置部にびらん, 潰瘍の形成が, 次いで10週には同部位に小腫瘤の形成が認められ, それらはやがて漸次増大して13週から19週で悪性腫瘍へと移行した。なお, この時点ではいずれの症例にも癌細胞の頸部リンパ節への転移は認められなかった。
ISSN:0385-0137
DOI:10.2330/joralbiosci1965.27.775