ハイパーポリファーマシーに対する病棟薬剤師による介入効果

「緒言」超高齢社会を迎えた日本では, 多疾患併存患者が増加している. それに伴い, 近年「ポリファーマシー」が問題になっている. ポリファーマシーの有害事象としては, 医療費の増加, 腎不全, せん妄, 栄養状態・日常生活動作(Activities of Daily Living, 以下, ADL)や認知機能の低下, 副作用による入院リスクの増加など多くの悪影響が報告されている. さらに, 因果関係は不明であるが, 死亡率増加との関連性を示唆した報告もある. ポリファーマシーの中でも特に, 10剤以上の薬を使用している場合は, 老年医学および薬理学の分野でハイパーポリファーマシーと呼ばれている...

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Published in医薬品相互作用研究 Vol. 47; no. 2; pp. 81 - 88
Main Authors 山元孝俊, 小瀬英司, 今中翔一, 渡部多真紀, 安野伸浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 医薬品相互作用研究会 04.11.2023
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ISSN0385-5015

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Summary:「緒言」超高齢社会を迎えた日本では, 多疾患併存患者が増加している. それに伴い, 近年「ポリファーマシー」が問題になっている. ポリファーマシーの有害事象としては, 医療費の増加, 腎不全, せん妄, 栄養状態・日常生活動作(Activities of Daily Living, 以下, ADL)や認知機能の低下, 副作用による入院リスクの増加など多くの悪影響が報告されている. さらに, 因果関係は不明であるが, 死亡率増加との関連性を示唆した報告もある. ポリファーマシーの中でも特に, 10剤以上の薬を使用している場合は, 老年医学および薬理学の分野でハイパーポリファーマシーと呼ばれている. ハイパーポリファーマシーはポリファーマシーに比べ, 副作用の発現が多いことが予想されるため, ポリファーマシーと同等以上に減薬・減量を重要視するべきと考えられる.
ISSN:0385-5015