外科的矯正治療を行った下顎の clockwise rotation を伴う骨格性下顎前突症例
「緒言」顎変形症による骨格性下顎前突症のうち, 外科的矯正治療を適用する患者においては, 咬合や顎顔面骨格の異常のみならず, 咀嚼障害や発音障害という機能的問題を伴うことが多い. さらに, 患者の主訴には下顎突出による審美的な改善の要求を背景に持つ事が多いと報告されている. 骨格的下顎前突症の垂直的形態異常は, 著しい短顔系や長顔系の顎顔面形態を伴うもの, それぞれ時計回りあるいは反時計回りに回転しているものがある. それらの症状を把握した上で外科手術による上下顎の位置づけや術前矯正の方向性が決定される. 本症例は, 上顎骨の劣成長および下顎骨の垂直的過成長を認め, 上下顎骨の時計回り回転によ...
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| Published in | 神奈川歯学 Vol. 54; no. 1; pp. 30 - 35 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
神奈川歯科大学学会
30.06.2019
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| ISSN | 0454-8302 |
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| Summary: | 「緒言」顎変形症による骨格性下顎前突症のうち, 外科的矯正治療を適用する患者においては, 咬合や顎顔面骨格の異常のみならず, 咀嚼障害や発音障害という機能的問題を伴うことが多い. さらに, 患者の主訴には下顎突出による審美的な改善の要求を背景に持つ事が多いと報告されている. 骨格的下顎前突症の垂直的形態異常は, 著しい短顔系や長顔系の顎顔面形態を伴うもの, それぞれ時計回りあるいは反時計回りに回転しているものがある. それらの症状を把握した上で外科手術による上下顎の位置づけや術前矯正の方向性が決定される. 本症例は, 上顎骨の劣成長および下顎骨の垂直的過成長を認め, 上下顎骨の時計回り回転により, 下顔面高の過大が認められた. さらに, デンタルコンペンセーションによる上顎前歯の唇側傾斜および下顎前歯の舌側傾斜に加え, 下顎骨の側方偏位が認められた. |
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| ISSN: | 0454-8302 |