重症虚血肢 (CLI) 患者の下肢切断術に対し皮膚灌流圧 (SPP) 測定を用いた術前評価の検討

重症虚血肢(CLI)患者の下肢切断高位を評価するために皮膚灌流圧(SPP)測定を行った. 対象はSPP測定群が14例(15肢), 未測定群が11例(11肢)であった. SPP値40mmHg以上の部位を切断高位とし, 必要に応じて術前に血管内治療(EVT)を追加した. 最終切断高位は測定群が大腿9肢, 下腿6肢, 未測定群が大腿7肢, 下腿4肢だった. 切断高位における術前SPP値は平均51.5mmHg, EVTを行った症例は測定群で8肢(53.3%), 未測定群で0肢であった. 術後創部評価は測定群が良好11肢(73%), 一部不良4肢(26%), 不良0肢, 未測定群が良好3肢(27%),...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 66; no. 2; pp. 379 - 382
Main Authors 塚本祐也, 神保幸太郎, 松浦充洋, 田邉潤平, 中村洋輔, 江崎佑平, 石橋千直, 重留広輔, 坂井健介, 田中憲治, 吉田健治, 後藤琢也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2017
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ISSN0037-1033

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Summary:重症虚血肢(CLI)患者の下肢切断高位を評価するために皮膚灌流圧(SPP)測定を行った. 対象はSPP測定群が14例(15肢), 未測定群が11例(11肢)であった. SPP値40mmHg以上の部位を切断高位とし, 必要に応じて術前に血管内治療(EVT)を追加した. 最終切断高位は測定群が大腿9肢, 下腿6肢, 未測定群が大腿7肢, 下腿4肢だった. 切断高位における術前SPP値は平均51.5mmHg, EVTを行った症例は測定群で8肢(53.3%), 未測定群で0肢であった. 術後創部評価は測定群が良好11肢(73%), 一部不良4肢(26%), 不良0肢, 未測定群が良好3肢(27%), 一部不良2肢(18%), 不良6肢(55%)と測定群の成績が良好であった. 術後入院日数は測定群が平均35.2日, 未測定群が平均103.4日と測定群が有意に短かった. SPPを切断高位の評価として用いることで治療成績が大きく改善した.
ISSN:0037-1033