塩化ラジウム (223Ra) 注射液を用いた内用療法に係る医療実態調査報告書 (第2報)

「要旨」:塩化ラジウム(223Ra)注射液(以下, 223Ra注射液)を使用した放射性同位元素(RI)内用療法は既に実地臨床において施行されているが, 223Ra注射液使用に係る管理料については, 現在, 診療報酬が設定されていない. 日本核医学会は, 223Ra注射液が実地臨床で使用可能となった環境を鑑み, 本治療の実地臨床での医療実態を調査するため, 223Ra注射液使用経験のある医療施設を対象に, 質問票を用いた調査を行った. 調査の結果, 外科系学会社会保険委員会連合生体検査試案第7.1版に基づく1症例あたりの治療管理に必要な費用は1,005,567円と求められた. 223Ra注射液は...

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Published in核医学 Vol. 54; no. 1; pp. 603 - 621
Main Authors 絹谷清剛, 加藤克彦, 神岡健, 新村俊幸, 的場義典, 伊藤健吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本核医学会 2017
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ISSN0022-7854

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Summary:「要旨」:塩化ラジウム(223Ra)注射液(以下, 223Ra注射液)を使用した放射性同位元素(RI)内用療法は既に実地臨床において施行されているが, 223Ra注射液使用に係る管理料については, 現在, 診療報酬が設定されていない. 日本核医学会は, 223Ra注射液が実地臨床で使用可能となった環境を鑑み, 本治療の実地臨床での医療実態を調査するため, 223Ra注射液使用経験のある医療施設を対象に, 質問票を用いた調査を行った. 調査の結果, 外科系学会社会保険委員会連合生体検査試案第7.1版に基づく1症例あたりの治療管理に必要な費用は1,005,567円と求められた. 223Ra注射液は4週間毎に6回の投与を行うこととされており, 1回投与あたりの治療管理料は167,595円, 診療報酬としては1症例・1回投与あたり16,759点(投与毎に計6回算定可)が妥当であると考えられた. 「■目的」α線放出核種である223Raを使用した放射性同位元素(RI)内用療法治療剤, 塩化ラジウム(223Ra)注射液(以下, 223Ra注射液)は, 欧米では2013年に「症候性の骨転移を有し既知の内臓転移のない去勢抵抗性前立腺癌」に対して承認され, 臨床使用されている.
ISSN:0022-7854