胆道病変における超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引細胞診 (EUS-FNA) の有用性

要旨: 胆道病変におけるEUS-FNAの有用性を検討した. 対象は2007年4月から2015年2月に膵癌以外の胆道系悪性病変が疑われ, EUS-FNAを施行した26例(胆道病変15例, 胆管周囲リンパ節腫大11例). 胆道病変15例のうち12例はERCPを先行して行い, 10例で検体採取が可能であった. ERCP時の病理学的診断の感度は22%, 特異度100%, 正診率30%であったのに対してEUS-FNAの感度は92.9%, 特異度は100%, 正診率は93.3%と大幅に改善し, 合併症は認めなかった. 胆道系病変におけるEUS-FNAは安全であり, ERCP時の病理学的診断の問題点を補完し...

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Published in胆道 Vol. 31; no. 2; pp. 196 - 204
Main Authors 池本珠莉, 花田敬士, 南智之, 岡崎彰仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 31.05.2017
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ISSN0914-0077

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Summary:要旨: 胆道病変におけるEUS-FNAの有用性を検討した. 対象は2007年4月から2015年2月に膵癌以外の胆道系悪性病変が疑われ, EUS-FNAを施行した26例(胆道病変15例, 胆管周囲リンパ節腫大11例). 胆道病変15例のうち12例はERCPを先行して行い, 10例で検体採取が可能であった. ERCP時の病理学的診断の感度は22%, 特異度100%, 正診率30%であったのに対してEUS-FNAの感度は92.9%, 特異度は100%, 正診率は93.3%と大幅に改善し, 合併症は認めなかった. 胆道系病変におけるEUS-FNAは安全であり, ERCP時の病理学的診断の問題点を補完し得る可能性が示唆された.
ISSN:0914-0077