内側足底皮弁を用いた足底荷重部皮膚欠損の再建

「はじめに」足底部の皮膚は, 荷重に適した特殊な構造をしており, 同部位の皮膚欠損に対し有毛部からの植皮や皮弁を行うと潰瘍を形成しやすい1). 内側足底皮弁は足底非荷重部のつちふまず部の皮弁であるため恵皮部の障害が少なく, また知覚皮弁とすることも可能である2). 私たちは足底荷重部皮膚欠損に対して内側足底皮弁による再建を行ない, 良好な結果を得たので報告する. 対象 症例は6例で, 全例男性であり, 手術時年齢は16~55才(平均34才)であった. 欠損部位は前足部が3例, 踵部が3例で, 原因は交通事故が3例と最も多く, 落下した材木による圧挫, ローラーによる圧挫, 悪性腫瘍切除後が各々...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 3; pp. 982 - 985
Main Authors 砂川秀之, 金谷文則, 普天間朝上, 喜山克彦, 大城亙, 茨木邦夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1999
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033

Cover

More Information
Summary:「はじめに」足底部の皮膚は, 荷重に適した特殊な構造をしており, 同部位の皮膚欠損に対し有毛部からの植皮や皮弁を行うと潰瘍を形成しやすい1). 内側足底皮弁は足底非荷重部のつちふまず部の皮弁であるため恵皮部の障害が少なく, また知覚皮弁とすることも可能である2). 私たちは足底荷重部皮膚欠損に対して内側足底皮弁による再建を行ない, 良好な結果を得たので報告する. 対象 症例は6例で, 全例男性であり, 手術時年齢は16~55才(平均34才)であった. 欠損部位は前足部が3例, 踵部が3例で, 原因は交通事故が3例と最も多く, 落下した材木による圧挫, ローラーによる圧挫, 悪性腫瘍切除後が各々1例であった. 内側足底皮弁の大きさは最小6.5×5cm~最大16×10cmであった. 遊離皮弁は5例でうち3例に神経縫合を行い, 有茎皮弁の1例では皮弁に知覚枝を含めた(表1). 術後観察期間は1年11ヵ月~8年3ヵ月(平均3年5ヵ月) であった.
ISSN:0037-1033