MICS (minimally invasive cardiac surgery) 後に片側肺水腫が生じた3症例
[要旨] 僧帽弁逆流症に対して低侵襲心臓手術(minimally invasive cardiac surgery: MICS)による僧帽弁形成術を施行した後に虚脱させた右肺の片側性肺水腫を呈した3症例を経験した. 症例は51歳男性, 58歳男性, 56歳女性であり, 術前に心不全を示す所見は認められなかったが, 人工心肺離脱直後から酸素化能が悪化し, 気管チューブから粘稠かつ泡沫状の液体が多量に吸引されるようになった. 分泌物は血漿タンパクの漏出であり, 人工呼吸, ヒドロコルチゾンとウリナスタチンの投与によって酸素化能は改善した. 本報告で認められた病態は, 人工心肺後の虚脱肺の再膨張と換...
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| Published in | 日本臨床麻酔学会誌 Vol. 35; no. 2; pp. 166 - 171 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床麻酔学会
14.03.2015
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| ISSN | 0285-4945 |
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| Summary: | [要旨] 僧帽弁逆流症に対して低侵襲心臓手術(minimally invasive cardiac surgery: MICS)による僧帽弁形成術を施行した後に虚脱させた右肺の片側性肺水腫を呈した3症例を経験した. 症例は51歳男性, 58歳男性, 56歳女性であり, 術前に心不全を示す所見は認められなかったが, 人工心肺離脱直後から酸素化能が悪化し, 気管チューブから粘稠かつ泡沫状の液体が多量に吸引されるようになった. 分泌物は血漿タンパクの漏出であり, 人工呼吸, ヒドロコルチゾンとウリナスタチンの投与によって酸素化能は改善した. 本報告で認められた病態は, 人工心肺後の虚脱肺の再膨張と換気による再膨張性肺水腫と考えられた. 「はじめに」低侵襲心臓手術(minimally invasive cardiac surgery: MICS)は最小の皮膚切開で心臓手術を行う手技であり, 心房中隔欠損閉鎖術や僧帽弁形成術に対して有用であることが知られている. |
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| ISSN: | 0285-4945 |