上顎癌治療後長期生存者の調査研究

鼻副鼻腔悪性腫瘍治療後・長期生存者の状態について調査した. 調査対象は5~9年観察87例, 10~19年観察149例, 20年以上観察22例であった. 後二者の合計171例について見ると, 一般状態(PS)が無症状38.0%, 軽度症状40.9%, 起居可能15.8%, 半日就床3.5%, 終日就床1.8%であった. 患側眼の白内障は放射線治療により必発であり, その10年後の失明は調査対象例の87.9%に及び, 健側眼においても視力良好なものは65.8%に止まった. 上顎全摘出術は必要に応じて施行し, なるべく保存的治療の方針をとって来たので, 調査対象例の55.0%では形態を保存し得た....

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 90; no. 4; pp. 523 - 663
Main Authors 酒井俊一, 伊東真人, 吉田淳一, 佐々木良二, 松永亨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科学会 20.04.1987
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ISSN0030-6622

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Summary:鼻副鼻腔悪性腫瘍治療後・長期生存者の状態について調査した. 調査対象は5~9年観察87例, 10~19年観察149例, 20年以上観察22例であった. 後二者の合計171例について見ると, 一般状態(PS)が無症状38.0%, 軽度症状40.9%, 起居可能15.8%, 半日就床3.5%, 終日就床1.8%であった. 患側眼の白内障は放射線治療により必発であり, その10年後の失明は調査対象例の87.9%に及び, 健側眼においても視力良好なものは65.8%に止まった. 上顎全摘出術は必要に応じて施行し, なるべく保存的治療の方針をとって来たので, 調査対象例の55.0%では形態を保存し得た.
ISSN:0030-6622