電気生理学的にみた鏡視下手根管開放術の適応

「はじめに」手根管症候群(CTS)に対する鏡視下手根管開放術(ECTR)の成績は良好であると報告されているが, なかには経過不良例も散見される. 今回, CTSの症例を反回枝の障害程度によって電気生理学的に分類し6), ECTR後の成績および適応について報告する. 「対象」対象は, 1998年以降CTSと診断しECTRを施行した35例, 38手である. 男性5例, 女性30例で, 手術時年齢は, 31~83歳で, 平均66歳であった. また, 5例に透析の既往があった. 術後経過観察期間は, 3~32ケ月, 平均8カ月であった. 「方法」電気生理学的方法は, 手関節掌側クリーゼより1.5cm中...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 49; no. 4; pp. 1249 - 1253
Main Authors 上野宏泰, 金子和生, 淵上泰敬, 藤本英明, 河合伸也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2000
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」手根管症候群(CTS)に対する鏡視下手根管開放術(ECTR)の成績は良好であると報告されているが, なかには経過不良例も散見される. 今回, CTSの症例を反回枝の障害程度によって電気生理学的に分類し6), ECTR後の成績および適応について報告する. 「対象」対象は, 1998年以降CTSと診断しECTRを施行した35例, 38手である. 男性5例, 女性30例で, 手術時年齢は, 31~83歳で, 平均66歳であった. また, 5例に透析の既往があった. 術後経過観察期間は, 3~32ケ月, 平均8カ月であった. 「方法」電気生理学的方法は, 手関節掌側クリーゼより1.5cm中枢側で, 正中神経を最大上刺激し, 短母指外転筋(APB), 第二虫様筋(L2)の筋活動電位(CMAPs)を測定した. また, 同一個体内での神経伝導速度の比較のため, 尺骨神経刺激による骨間筋(INT)のCMAPsも導出した. 健常例では, APB・L2・INTのCMAPsの潜時は, ほぼ同様の値をとる傾向にあった(図1).
ISSN:0037-1033