前大脳動脈近位部(A1)動脈瘤の臨床像と治療成績

「はじめに」 前大脳動脈近位部(A1)動脈瘤はまれな疾患であり全脳動脈瘤の1-2%の頻度であると報告されている2)5-7)9)12). これらの報告の中では, A1動脈瘤の特徴として他部位動脈瘤の合併が多いこと9)11), 近傍に窓形成などのvariantの合併が多いこと9)12), クリッピング時にrecurrent artery of Heubner, medial lenticulostriate arteryの障害をきたしうること2)などがあげられている. 本検討ではA1動脈瘤の臨床像について明らかにすることを目的として, 当施設で治療を行ったA1動脈瘤12例を後方視的に検討し報告する...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 39; no. 5; pp. 353 - 358
Main Authors 金森政之, 高沢弘樹, 米澤慎悟, 面高俊介, 川口奉洋, 緑川宏, 佐々木達也, 西嶌美知春
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳卒中の外科学会 2011
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ISSN0914-5508

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Summary:「はじめに」 前大脳動脈近位部(A1)動脈瘤はまれな疾患であり全脳動脈瘤の1-2%の頻度であると報告されている2)5-7)9)12). これらの報告の中では, A1動脈瘤の特徴として他部位動脈瘤の合併が多いこと9)11), 近傍に窓形成などのvariantの合併が多いこと9)12), クリッピング時にrecurrent artery of Heubner, medial lenticulostriate arteryの障害をきたしうること2)などがあげられている. 本検討ではA1動脈瘤の臨床像について明らかにすることを目的として, 当施設で治療を行ったA1動脈瘤12例を後方視的に検討し報告する. 「方法と対象」 2001年1月から2008年12月までに当科で加療を行った脳動脈瘤症例で破裂動脈瘤682例, 未破裂動脈瘤307例を対象とした. この中で動脈瘤頚部がA1上に位置し, 動脈瘤頚部近位側が内頚動脈分岐部, 動脈瘤頚部遠位側が前交通動脈に接しない動脈瘤をA1動脈瘤と定義した.
ISSN:0914-5508