可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)6例の臨床的検討

要旨:【背景および目的】可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome;RCVS)は, 雷鳴頭痛を主徴とし, 脳血管に可逆性の分節状攣縮を認める疾患である. 本疾患の臨床経過と画像所見の経過の検討を目的とした. 【方法】2004年6月から2010年12月までに当科にRCVSの診断で加療を行った6例について検討した. 【結果】発症年齢は39~53歳(平均44歳)で, 女性が4例, 男性が2例であった. 全例に雷鳴様頭痛を認めた. 3例が脳卒中を発症し, 全例が女性であった. 脳出血が1例, くも膜下出血と脳出血との合併例が2例で...

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Published in脳卒中 Vol. 34; no. 1; pp. 8 - 15
Main Authors 宮腰淑子, 五十嵐修一, 永尾侑平, 井上重宏, 佐藤朋江, 関谷可奈子, 新保淳輔, 佐治越爾, 森田健一, 佐々木修, 岡本浩一郎, 佐藤晶, 山崎元義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳卒中学会 2012
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ISSN0912-0726

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Summary:要旨:【背景および目的】可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome;RCVS)は, 雷鳴頭痛を主徴とし, 脳血管に可逆性の分節状攣縮を認める疾患である. 本疾患の臨床経過と画像所見の経過の検討を目的とした. 【方法】2004年6月から2010年12月までに当科にRCVSの診断で加療を行った6例について検討した. 【結果】発症年齢は39~53歳(平均44歳)で, 女性が4例, 男性が2例であった. 全例に雷鳴様頭痛を認めた. 3例が脳卒中を発症し, 全例が女性であった. 脳出血が1例, くも膜下出血と脳出血との合併例が2例であった. ベラパミルが5例に投与され, 症状改善がみられたが, 1例に片麻痺の後遺症を残した. 【結論】突然の激しい頭痛を訴える患者を診察する際には, RCVSを鑑別に含める必要がある.
ISSN:0912-0726