空気押出型ゼリー剤の試飲調査(第2報) -高齢患者における空気押出型ゼリー剤の服用指示と製剤サイズの与える影響

「緒言」 戦後の我が国の平均寿命の延びは著しく, 「平成23年度版 高齢社会白書」によると, 2010年に23.1%を示した「総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)」は, 2050年には40.5%に到達し, さらに一人暮らしの高齢者が高齢者人口に占める割合は2030年には38.7%にまで増加すると予想されている. 高齢者比率の上昇は薬物治療にも影響し, 高齢でない患者であれば問題なく服用できる薬剤も, 高齢患者には身体的機能の低下に伴って服用困難等に陥るケースが増えてくる. 特に, 咀嚼・嚥下機能は加齢に伴い低下する傾向にあるため, 高齢患者にとってより取り扱いやすく, 嚥下しやすい剤...

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Published in医療薬学 Vol. 39; no. 11; pp. 650 - 659
Main Authors 花輪剛久, 徳武昇, 小口敏夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医療薬学会 10.11.2013
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ISSN1346-342X

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Summary:「緒言」 戦後の我が国の平均寿命の延びは著しく, 「平成23年度版 高齢社会白書」によると, 2010年に23.1%を示した「総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)」は, 2050年には40.5%に到達し, さらに一人暮らしの高齢者が高齢者人口に占める割合は2030年には38.7%にまで増加すると予想されている. 高齢者比率の上昇は薬物治療にも影響し, 高齢でない患者であれば問題なく服用できる薬剤も, 高齢患者には身体的機能の低下に伴って服用困難等に陥るケースが増えてくる. 特に, 咀嚼・嚥下機能は加齢に伴い低下する傾向にあるため, 高齢患者にとってより取り扱いやすく, 嚥下しやすい剤形を開発することが必要であると考えられる1). このような背景の下, 厚生省厚生科学研究シルバーサイエンス研究班は, 「高齢者に投与最適な新規製剤及び新規包装容器の作成研究」の調査において, 新しい剤形としてゼリーやプリン状の製剤を希望する高齢者が多いことを報告している2).
ISSN:1346-342X