胃癌PDT (photodynamic therapy) と病理所見

「要旨」 PDT(photodynamic therapy)後に手術された胃癌の病理所見から, PDTの治療効果がSM(submucosa)全層に及ぶ可能性が示された. Laserphyrin(R)によるPDT後に切除された胃癌の病理所見から, Laserphyrin(R)によるPDTは腫瘍血管に対するvascular shutdown効果が強く, Photofrin(R)を用いたPDTに比べてより深部への治療効果が期待できる可能性が高い. 腫瘍選択的破壊という特徴を持つ低侵襲で効果的な治療法であるPDTは, 手術不能な場合の胃癌に対する内視鏡治療のひとつとして期待される. 「1. 緒言」 胃...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 36; no. 2; pp. 146 - 153
Main Authors 山岸秀嗣, 中村哲也, 寺野彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 15.07.2015
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ISSN0288-6200

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Summary:「要旨」 PDT(photodynamic therapy)後に手術された胃癌の病理所見から, PDTの治療効果がSM(submucosa)全層に及ぶ可能性が示された. Laserphyrin(R)によるPDT後に切除された胃癌の病理所見から, Laserphyrin(R)によるPDTは腫瘍血管に対するvascular shutdown効果が強く, Photofrin(R)を用いたPDTに比べてより深部への治療効果が期待できる可能性が高い. 腫瘍選択的破壊という特徴を持つ低侵襲で効果的な治療法であるPDTは, 手術不能な場合の胃癌に対する内視鏡治療のひとつとして期待される. 「1. 緒言」 胃癌は, 日本における2011年の癌罹患数(全国推計値)で男性1位, 女性3位, 男女計でも1位を占めているが, 2013年の癌死亡数では男性2位, 女性3位, 男女計2位である.
ISSN:0288-6200