投球前後における肩関節MRIの変化

「はじめに」近年投球の動作が様々な力学的アプローチにより究明されっっある. しかしながら投球動作前後におけるMRIを撮像した文献は我々の渉猟しえた限りではない. そこで今回, 成人男性の投球動作前後における肩関節構成体のMRIを撮像し, その輝度変化について比較し検討した. 対象 対象は平成7年9月から平成8年3月にかけて投球前後で肩のMRIを撮像した成人男性8名, 8肩関節である. 年齢は19歳から27歳, 平均年齢は21.8歳であり, 右肩が7例, 左肩が1例であった. 内訳は野球経験者6名(投手2名, 捕手1名, 野手3名), 非経験者2名で投手群はいずれも肩関節に障害をもっていた. 方...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 3; pp. 878 - 883
Main Authors 安藤徹, 田島直也, 帖佐悦男, 川越正一, 園田典生, 樋口潤一, 小牧一麿, 田辺龍樹, 市原正彬
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1997
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」近年投球の動作が様々な力学的アプローチにより究明されっっある. しかしながら投球動作前後におけるMRIを撮像した文献は我々の渉猟しえた限りではない. そこで今回, 成人男性の投球動作前後における肩関節構成体のMRIを撮像し, その輝度変化について比較し検討した. 対象 対象は平成7年9月から平成8年3月にかけて投球前後で肩のMRIを撮像した成人男性8名, 8肩関節である. 年齢は19歳から27歳, 平均年齢は21.8歳であり, 右肩が7例, 左肩が1例であった. 内訳は野球経験者6名(投手2名, 捕手1名, 野手3名), 非経験者2名で投手群はいずれも肩関節に障害をもっていた. 方法 方法として全例に投球前およびオーバースローによる全力投球を100球行った後30分以内に肩関節のMRIを撮像し, それぞれにおいて僧帽筋, 三角筋, 棘上筋の肩峰下部と肩甲起始部, 棘下筋, 肩甲下筋の各筋群と上腕骨頭の骨端と骨幹端, 肩関節窩の各骨構成体の輝度を測定した. 輝度測定法としてMR Vectraに内蔵されたコンピューターROI(range of interest)を使用し, 各測定部位での一定面積における平均輝度を測定した. 投球前の輝度を100とし, 投球後の肩関節構成体の平均輝度変化率を求め, 統計学的に検討した.
ISSN:0037-1033