頸椎脱臼における前方固定術後の局所アライメントの変化について―ORION anterior cervical plate併用の有用性の検討

「はじめに」角状後弯を伴う頸椎脱臼や破裂骨折等の外傷性頸椎不安定症や, 腫瘍性病変, 多椎間固定例の多くは, アライメントの矯正と骨移植, 内固定の適応であるが, その他の頸椎脱臼の術後経過でも, 固定椎体の圧潰や後弯変形が生じることが危惧される1)2). それらによる遅発性脊髄障害や頸部の愁訴の問題のみでなく, 整復保持, 術後管理の簡素化, 術後早期リハビリテーション, 移植骨の脱転防止等を目的に, 以前は, 前方固定に後方ワイヤリングを併用していたが, 1996年以降, ORION plateを使用してきた. 今回の我々の目的は, 頸椎脱臼に対する前方固定法における前方プレートの有用性を...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in整形外科と災害外科 Vol. 49; no. 3; pp. 787 - 791
Main Authors 安達耕一, 小西宏昭, 原真一郎, 高須賀良一, 原寛徳, 山口和博, 伊達武利, 井上篤, 山崎浩二郎, 玉井崇
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2000
Online AccessGet full text
ISSN0037-1033

Cover

More Information
Summary:「はじめに」角状後弯を伴う頸椎脱臼や破裂骨折等の外傷性頸椎不安定症や, 腫瘍性病変, 多椎間固定例の多くは, アライメントの矯正と骨移植, 内固定の適応であるが, その他の頸椎脱臼の術後経過でも, 固定椎体の圧潰や後弯変形が生じることが危惧される1)2). それらによる遅発性脊髄障害や頸部の愁訴の問題のみでなく, 整復保持, 術後管理の簡素化, 術後早期リハビリテーション, 移植骨の脱転防止等を目的に, 以前は, 前方固定に後方ワイヤリングを併用していたが, 1996年以降, ORION plateを使用してきた. 今回の我々の目的は, 頸椎脱臼に対する前方固定法における前方プレートの有用性を検討することである. 「対象」1990年から1999年4月の間に手術を施行した頸椎脱臼30例で, うち内固定を使用しない前方固定法を施行した5例, 後方ワイヤリングを併用した13例, これにORION anterior cervical plateを使用した12例を対象とした.
ISSN:0037-1033