頭蓋内髄膜腫に対する術前栄養血管塞栓術

頭蓋内髄膜腫はvascularityが高く, コントロールが容易でないことがあるが, 手術時に出血の外頸動脈枝が腫瘍の主栄養血管である場合は, 術前に栄養血管を閉塞することにより術中出血量を減少させることが可能である. 我々は1977年以降, 主として外頸動脈系から栄養される髄膜腫に対し術前栄養血管塞栓術を行い, その有効性を報告してきた10, 19, 23, 25). 今回は術前栄養血管塞栓術を行った頭蓋内髄膜腫36例を対象とし, 腫瘍の発生部位, 栄養血管の閉塞状況と塞栓術の効果との検討などを行い, 塞栓術後開頭腫瘍摘出術までの間CTにて経過を観察しえた33例においてはfollow-up...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 25; no. 6; pp. 471 - 478
Main Authors 吉田一成, 戸谷重雄, 高宮至昭, 村上秀樹, 河瀬斌, 志賀逸夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1985
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ISSN0470-8105

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Summary:頭蓋内髄膜腫はvascularityが高く, コントロールが容易でないことがあるが, 手術時に出血の外頸動脈枝が腫瘍の主栄養血管である場合は, 術前に栄養血管を閉塞することにより術中出血量を減少させることが可能である. 我々は1977年以降, 主として外頸動脈系から栄養される髄膜腫に対し術前栄養血管塞栓術を行い, その有効性を報告してきた10, 19, 23, 25). 今回は術前栄養血管塞栓術を行った頭蓋内髄膜腫36例を対象とし, 腫瘍の発生部位, 栄養血管の閉塞状況と塞栓術の効果との検討などを行い, 塞栓術後開頭腫瘍摘出術までの間CTにて経過を観察しえた33例においてはfollow-up CTの所見を分析した. 対象および方法 1977年5月から1984年3月までに慶應大学脳神経外科において外科的治療を行った頭蓋内髄膜腫97例のうち, 主として外頸動脈系より栄養される36例(男性14例, 女性25例, 年齢15~75才, 平均50.5才)を対象とした.
ISSN:0470-8105