術後肺塞栓症例の検討
術後肺塞栓症は, 時に死にいたる重篤な合併症であり, 近年本邦でも早期診断・治療と予防の重要性が報告されている. 当科では開設以来18年間に術後肺塞栓症を4例経験したので, 症例を報告し, 肺塞栓症の予防対策について検討する. 対象 性別は全例が女性であり, 発症時年齢は38~80歳(平均59.8歳), 術前の体格指数(Body Mass Index, 以下BMI)は, 20.1~31.2(平均25.9)であった. 疾患は, 変形性股関節症2例, 大腿骨頚部外側骨折, 腰椎粉砕骨折の各1例であった. 手術として, 人工骨頭置換および臼蓋形成術2例, γ nail挿入術, 前方固定および後方in...
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          | Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 4; pp. 1181 - 1183 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            西日本整形・災害外科学会
    
        1999
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| ISSN | 0037-1033 | 
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| Summary: | 術後肺塞栓症は, 時に死にいたる重篤な合併症であり, 近年本邦でも早期診断・治療と予防の重要性が報告されている. 当科では開設以来18年間に術後肺塞栓症を4例経験したので, 症例を報告し, 肺塞栓症の予防対策について検討する. 対象 性別は全例が女性であり, 発症時年齢は38~80歳(平均59.8歳), 術前の体格指数(Body Mass Index, 以下BMI)は, 20.1~31.2(平均25.9)であった. 疾患は, 変形性股関節症2例, 大腿骨頚部外側骨折, 腰椎粉砕骨折の各1例であった. 手術として, 人工骨頭置換および臼蓋形成術2例, γ nail挿入術, 前方固定および後方instrumentation各1例が行われた. 肺塞栓予防に人工骨頭置換術の2例には術後ヘパリン予防的投与を行った. 軽症2例ではヘパリン投与, 酸素吸入などが行われ, 臨床症状, 心電図の改善を認めた. 一方, 意識レベルが下がった重症2例では救命処置が行われたが, 1例は発症後3時間で死亡, 1例は現在蘇生後脳症である. | 
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| ISSN: | 0037-1033 |