非定型抗酸菌による骨関節炎の2例
「はじめに」非定型抗酸菌症(以下AM症とする)は呼吸器感染症がほとんどであり, 関節炎, 骨髄炎はまれである. 緩徐な経過をとり, 炎症所見は軽度で結核, RAに類似しており, 診断が困難な例が多い. 今回私たちは非定型抗酸菌による関節炎, 骨髄炎各1例に掻爬と薬剤療法を行い良好な結果を得たので報告する. 「症例」症例1:62歳, 男性, 駐車場係員. 現病歴:平成5年左手関節痛, 腫脹出現. 近医にてRAと診断されNSAIDs, 金製剤を投与されたが改善せず, 平成7年3月滑膜切除術を施行された. 同年8月に創が自潰しStaphylococcus aureusが検出されたためCFTM-PI...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 49; no. 4; pp. 1011 - 1014 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2000
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ISSN | 0037-1033 |
Cover
Summary: | 「はじめに」非定型抗酸菌症(以下AM症とする)は呼吸器感染症がほとんどであり, 関節炎, 骨髄炎はまれである. 緩徐な経過をとり, 炎症所見は軽度で結核, RAに類似しており, 診断が困難な例が多い. 今回私たちは非定型抗酸菌による関節炎, 骨髄炎各1例に掻爬と薬剤療法を行い良好な結果を得たので報告する. 「症例」症例1:62歳, 男性, 駐車場係員. 現病歴:平成5年左手関節痛, 腫脹出現. 近医にてRAと診断されNSAIDs, 金製剤を投与されたが改善せず, 平成7年3月滑膜切除術を施行された. 同年8月に創が自潰しStaphylococcus aureusが検出されたためCFTM-PI 300mg/日投与されたが改善せず当院紹介受診となった. 臨床経過:平成7年9月滑膜切除術とCFTM-PI 300mg/日投与を行い軽快した. 平成8年3月再度創が自潰し, 同年7月滑膜切除術とMIN0 200mg/日投与を行った. このときの病理所見は線維性滲出物を伴った慢性炎症で, 培養ではStaphylococcus epidermidisが検出されたが, 抗酸菌は陰性であった. |
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ISSN: | 0037-1033 |