全国アンケートを用いたRI内用療法 (核医学治療) 見送り症例の実態調査報告

要旨:放射性同位元素(radioisotope:RI)を用いた内用療法(核医学治療)は放射線治療病室内で施行され, 放射線治療病室から退室するためには, 公衆被ばくの防護の観点から各核種に定められた退出基準を満たす必要がある. 放射線治療病室内で大量投与を行う際には, 数日間の入院生活が求められる. そのため, 日常生活動作が自立していない患者や血液透析を行っている患者では内用療法を断らざるを得ないことが時に経験される. 今回, 日本核医学会は実態把握のため, 全国の内用療法を行っている施設に対して, 「核医学治療(RI内用療法)に関わる調査に関するお願い」というアンケート調査を実施した. 今...

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Published in核医学 Vol. 57; no. 1; pp. 39 - 46
Main Authors 森博史, 稲木杏吏, 萱野大樹, 若林大志, 細野眞, 東達也, 織内昇, 阿部光一郎, 内山眞幸, 絹谷清剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本核医学会 2020
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ISSN0022-7854

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Summary:要旨:放射性同位元素(radioisotope:RI)を用いた内用療法(核医学治療)は放射線治療病室内で施行され, 放射線治療病室から退室するためには, 公衆被ばくの防護の観点から各核種に定められた退出基準を満たす必要がある. 放射線治療病室内で大量投与を行う際には, 数日間の入院生活が求められる. そのため, 日常生活動作が自立していない患者や血液透析を行っている患者では内用療法を断らざるを得ないことが時に経験される. 今回, 日本核医学会は実態把握のため, 全国の内用療法を行っている施設に対して, 「核医学治療(RI内用療法)に関わる調査に関するお願い」というアンケート調査を実施した. 今回のアンケート結果を加味したRI施設の設備充実や環境改善が望まれるため, 行政とも連携しながら, 内用療法の国内・国際格差の是正に核医学・放射線関連学会を挙げて努力していく必要がある.
ISSN:0022-7854