Bipolar型人工骨頭置換後にinner headが反復性に脱臼した1例

「はじめに」Bipolar型人工骨頭のinner headが脱臼することは比較的希である. 今回われわれは長期経過症例で, bearing insertの摩耗によりinner headの脱臼の反復を来たした1例を経験したので, 若干の考察を加えて報告する. 症例 症例:61歳, 女性, 農業, 149cm, 55kg 主訴:右股関節痛, 腰痛, 歩行障害. 現病歴:約10年前, 右変形性股関節症に対し, 他院にてself centering機構を有したZimmer社製BHPヘッドとムーア型ステムによる人工骨頭置換術を施行される. その後7年間は, 農業に従事しかつ動的な生活を送っていた. 3年...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 1; pp. 4 - 8
Main Authors 荒牧健一, 竹下満, 尾上敏博, 平田修, 岩本英明, 江本玄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1996
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」Bipolar型人工骨頭のinner headが脱臼することは比較的希である. 今回われわれは長期経過症例で, bearing insertの摩耗によりinner headの脱臼の反復を来たした1例を経験したので, 若干の考察を加えて報告する. 症例 症例:61歳, 女性, 農業, 149cm, 55kg 主訴:右股関節痛, 腰痛, 歩行障害. 現病歴:約10年前, 右変形性股関節症に対し, 他院にてself centering機構を有したZimmer社製BHPヘッドとムーア型ステムによる人工骨頭置換術を施行される. その後7年間は, 農業に従事しかつ動的な生活を送っていた. 3年前より立ち上がるときに右股関節に激痛をきたし一時的に歩行不能となることが時々出現した. 椅子に座り足踏みすることで疼痛消失し歩行可能となっていた. 今回腰痛及び間歇性跛行が増強し, その精査目的にて入院となった. 家族歴・既往歴:特記すべきことなし. 入院時X線所見:人工骨頭のouter headは極端な内反位をとっており, 臼蓋側に骨透亮像がouter head全周に認められたが, inner headの脱臼は認めなかった(図1-A).
ISSN:0037-1033