小児のGaleazzi骨折の治療経験

「はじめに」小児のGaleazzi骨折は比較的まれな骨折で一般に保存的治療が勧められている. しかし手術が必要な場合もあり, その適応についての報告は少ない. 我々は手術適応について検討したので報告する. 対象と方法 症例は3例(男1例, 女2例), 受傷側は右2例, 左1例, 受傷時年齢は10歳~15歳(平均12歳), 2例は新鮮例, 1例は陳旧例, 受傷原因はいずれもスポーツによる転倒であった(表1). 全例橈骨の骨折部位は, 遠位1/3で尺骨頭は背側に脱臼していた. 尺骨末端の若木骨折と尺骨茎状突起の剥離骨折をそれぞれ1例に認めた. 1例は保存的に, 2例は手術的に治療した. 経過観察期...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 2; pp. 514 - 518
Main Authors 桜木孝二, 蔵重芳文, 佐々木伸一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1999
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」小児のGaleazzi骨折は比較的まれな骨折で一般に保存的治療が勧められている. しかし手術が必要な場合もあり, その適応についての報告は少ない. 我々は手術適応について検討したので報告する. 対象と方法 症例は3例(男1例, 女2例), 受傷側は右2例, 左1例, 受傷時年齢は10歳~15歳(平均12歳), 2例は新鮮例, 1例は陳旧例, 受傷原因はいずれもスポーツによる転倒であった(表1). 全例橈骨の骨折部位は, 遠位1/3で尺骨頭は背側に脱臼していた. 尺骨末端の若木骨折と尺骨茎状突起の剥離骨折をそれぞれ1例に認めた. 1例は保存的に, 2例は手術的に治療した. 経過観察期間は1年~1年8ヵ月(平均1年3ヵ月)であった(表2). 症例を供覧する. 症例1:11歳, 女, 保存的治療例(図1) ローラースケートをしていて転倒し受傷. 近医にて左橈骨骨折と診断され整復・固定受けるも, 骨折部転位のため1週後紹介受診となる. 来院時, アルフェンスシーネによる不十分な固定のため前腕は回内位をとっていた.
ISSN:0037-1033