実験脳腫瘍における抗腫瘍免疫の経時的変化

悪性脳腫瘍, 特にmalignant gliomaにおける治療成績は, 手術療法, 放射線療法, 化学療法の改良にもかかわらず大きな改善をみていない. 一方宿主には, 脳腫瘍に対する免疫応答が存在することがしだいに明らかになり, 悪性脳腫瘍に対しても免疫療法が試みられているが, 現在までのところ満足すべき成果をあげていない3, 22). その理由の1つに, 脳腫瘍患者における免疫応答の解析がいまだ不十分なことが挙げられよう. したがって, 脳腫瘍動物モデルにおける免疫応答の基礎的立場からの十分な検索が必要とされる. 我々は先に, 免疫治療実験に適したラット脳腫瘍モデルを作製し報告したが13),...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. 9; pp. 689 - 695
Main Authors 会田敏光, 阿部弘, 金子貞男, 都留美都雄, 小玉孝郎, 小林博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1982
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ISSN0470-8105

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Summary:悪性脳腫瘍, 特にmalignant gliomaにおける治療成績は, 手術療法, 放射線療法, 化学療法の改良にもかかわらず大きな改善をみていない. 一方宿主には, 脳腫瘍に対する免疫応答が存在することがしだいに明らかになり, 悪性脳腫瘍に対しても免疫療法が試みられているが, 現在までのところ満足すべき成果をあげていない3, 22). その理由の1つに, 脳腫瘍患者における免疫応答の解析がいまだ不十分なことが挙げられよう. したがって, 脳腫瘍動物モデルにおける免疫応答の基礎的立場からの十分な検索が必要とされる. 我々は先に, 免疫治療実験に適したラット脳腫瘍モデルを作製し報告したが13), 今回同モデルにおける腫瘍特異的免疫能を, 細胞性免疫, 液性免疫の両面において経時的に検索し, 若干の知見を得たので報告する.
ISSN:0470-8105