鶴見大学歯学部附属病院発行の院外処方箋に関する疑義照会の現状 - 保険薬局における調査

「緒言」13世紀の欧州では王様や貴族が主治医に毒殺される事件が相次いで起こり, これを防ぐため, 「医」と「薬」を分離し, 薬のチェックを医師以外の者(薬剤師)が行う医薬分業が1231~1240年にドイツ皇帝フリードリッヒII世によって始められたといわれている. この医薬分業の根幹をなすものが疑義照会であり, 薬剤師法第24条において「薬剤師は, 処方箋中に疑わしい点があるときは, その処方箋を交付した医師, 歯科医師又は獣医師に問い合わせて, その疑わしい点を確かめた後でなければ, これによって調剤してはならない」と規定されている. この疑義照会は医療における安全性を確保するものであるため,...

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Published in歯科薬物療法 Vol. 37; no. 1; pp. 15 - 20
Main Authors 斎藤義夫, 倉岡貴徳, 有川槙葉, 中川洋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科薬物療法学会 02.04.2018
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ISSN0288-1012

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Summary:「緒言」13世紀の欧州では王様や貴族が主治医に毒殺される事件が相次いで起こり, これを防ぐため, 「医」と「薬」を分離し, 薬のチェックを医師以外の者(薬剤師)が行う医薬分業が1231~1240年にドイツ皇帝フリードリッヒII世によって始められたといわれている. この医薬分業の根幹をなすものが疑義照会であり, 薬剤師法第24条において「薬剤師は, 処方箋中に疑わしい点があるときは, その処方箋を交付した医師, 歯科医師又は獣医師に問い合わせて, その疑わしい点を確かめた後でなければ, これによって調剤してはならない」と規定されている. この疑義照会は医療における安全性を確保するものであるため, 疑義照会の内容を検討することは今後の医療の質の向上につながると考える. 田辺薬局総持寺前店は, 主に鶴見大学歯学部附属病院の院外処方箋を受けている. そこでは, 処方監査, 調剤, 薬剤交付, 情報提供, 薬剤服用歴(薬歴)管理等を行っており, いずれの段階においても, 疑義が生じた場合には, 処方発行元に疑義照会を行っている.
ISSN:0288-1012