化膿性骨髄炎に対するバンコマイシン含有骨ペース(バイオペックス(R))による治療経験

「はじめに」骨補填材として開発されたリン酸カルシウム骨ペースト(骨ペースト)は補填部位の形状に併せて補填することが可能なため, 骨腫瘍や骨折治療などの骨欠損部への補填材として使用されてきた. 最近, 骨ペーストに抗生剤を混入し, 化膿性骨髄炎に対して治療し, 良好な治療結果が得られたとの報告がなされるようになってきた1-3)5). われわれは2003年9月以降, 化膿性骨髄炎に対し抗生剤含有骨ペーストによる治療を行い良好な結果が得られたので報告する. 対象および方法 対象は2003年9月以降, 化膿性骨髄炎と診断した12例である. 男性9例, 女性3例で平均年齢は57.2才(19-78才)であ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 55; no. 2; pp. 242 - 246
Main Authors 新垣宜貞, 大久保宏貴, 宮里聡, 砂川秀之, 金城幸雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2006
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」骨補填材として開発されたリン酸カルシウム骨ペースト(骨ペースト)は補填部位の形状に併せて補填することが可能なため, 骨腫瘍や骨折治療などの骨欠損部への補填材として使用されてきた. 最近, 骨ペーストに抗生剤を混入し, 化膿性骨髄炎に対して治療し, 良好な治療結果が得られたとの報告がなされるようになってきた1-3)5). われわれは2003年9月以降, 化膿性骨髄炎に対し抗生剤含有骨ペーストによる治療を行い良好な結果が得られたので報告する. 対象および方法 対象は2003年9月以降, 化膿性骨髄炎と診断した12例である. 男性9例, 女性3例で平均年齢は57.2才(19-78才)であり, 基礎疾患として糖尿病を合併していた患者が7例認められた. 感染部位は脛骨が最も多く5例, 足趾骨3例, 大腿骨, 鎖骨, 踵骨, 足根骨の各1例つつであった. 起炎菌としてはメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)感染が7例と最も多く, 混合感染も2例に認められた. 平均観察期間は8.1カ月(2-12カ月)である(表1).
ISSN:0037-1033